エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1082
2021.12.06 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
まずは定番のレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R15」で、CPUの純粋なパフォーマンスをチェックしていこう。
「第12世代Intel Coreプロセッサ」の「Pコア」は、従来からIPCが大きく引き上げられていることもあり、シングルコアテストはCore i7-11700Kとの比較で約15%、Ryzen 9 5900Xとの比較でも約5%高い280cbを記録した。
そしてマルチコアテストについても、4コア分の「Eコア」が追加されたこともあり、Core i7-11700Kからは40%以上も上昇。12コアすべてがいわゆる「Pコア」扱いになるRyzen 9 5900Xとの比較でもその差は約6%しかなく、「Eコア」が追加されたメリットは非常に大きい。
続いて、より負荷が高く、テスト時間が長いレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R20」のスコアを確認していこう。
シングルコアテストは今回検証した3つのCPUの中で唯一700ptsを超える優秀なスコア。またマルチコアテストのスコアを確認すると、Core i7-11700Kとの差は約54%に拡大。さらに「CINEBENCH R15」では後塵を拝していたRyzen 9 5900Xをも約7%上回り、異なる2種類のコアを組み合わせた「ハイブリッド・アーキテクチャ」は、並列度の高い処理を得意としているようだ。
次に、メニーコアCPUへの最適化が進んでいる最新レンダリングベンチマーク「CINEBENCH R23」のスコアを確認していこう。
スコアの傾向は「CINEBENCH R20」に近いが、シングルコアテストの差はCore i7-11700Kで約26%、Ryzen 9 5900Xで約20%、マルチコアテストの差はCore i7-11700Kで約57%、Ryzen 9 5900Xでは約9%へとそれぞれ拡大している。電力制御機構が改良された「第12世代Intel Coreプロセッサ」は、高負荷状態が長時間続く処理でよりその実力を発揮できるようだ。
またここまでの結果を見る限り、シングルコアテストについては先日詳細検証をお届けしたフラッグシップモデルCore i9-12900Kとの差は、いずれもほぼクロック通りとなる約1%とごくわずか。DDR4メモリを使った場合でもシングルスレッド処理については、現行最高クラスの性能を叩きだすことができる。
次に「V-Ray」ベースのレンダリング系ベンチマーク「V-Ray 5 Benchmark」のスコアを確認していこう。
Core i7-11700Kとの比較では約45%も高いスコアをマークし、やはり「Eコア」が追加された効果は非常に大きい。またRyzen 9 5900Xとの比較ではやや下回るものの、その差は約2%とわずかだ。