エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1082
2021.12.06 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
オープンソースの統合型3DCGレンダリングソフトウェア「Blender」のベンチマーク結果も確認しておこう。なおデータは用意されている6種類全てでテストを行っている。
Core i7-11700Kとの比較では最低でも25%以上処理速度を短縮することができ、やはりマルチスレッド性能は大幅に向上している。またRyzen 9 5900Xとの比較では、「bmw27」「fishy_cat」「pavillion_barcelona」はCore i7-12700Kが、「classroom」「koro」「victor」ではRyzen 9 5900Xが優勢。その差も最大で約5%しかなく、ほぼ同等の性能と言って差し支えないだろう。
続いて、フリーの動画変換ソフト「Hand Brake 1.4.2」のエンコード性能をチェックしていこう。テスト用のデータは約5分間の4Kデータで、「HQ 1080p30 Surround」と「Super HQ 1080p30 Surround」のプリセットを選択した場合のフレームレートを計測している。
Core i7-11700Kと比較すると、「HQ 1080p30 Surround」ではCore i7-12700KのCPU負荷が90%前後で頭打ちになることもあり、約33%とこれまでの結果に比べるとやや差が縮まっている。ただしほぼフルにCPUを使う「Super HQ 1080p30 Surround」では約45%に差が広がった。またRyzen 9 5950Xとの比較では、「Super HQ 1080p30 Surround」では1%未満でほぼ同等ながら、処理の軽い「HQ 1080p30 Surround」では高性能な「Pコア」のおかげもあり約7%の差が付いた。
統合ベンチマークソフト「SiSoftware Sandra 20/21」のCPU関連テストである「プロセッサの性能」と「マルチメディア処理」のスコアも確認しておこう。
まず「プロセッサの性能」を確認すると、「Dhrystone Aggregated-int」で約23%、「Whetstone浮動小数点/倍精度」では約50%もCore i7-11700Kを上回る。またRyzen 9 5900Xとの比較でも「Dhrystone Aggregated-int」で約5%、「Whetstone浮動小数点/倍精度」では約10%に差が縮まった。一方、「マルチメディア処理」では「Eコア」があまり効果的に働かないようで、Core i7-11700Kとの差は最大でも約7%に留まる。
今回はすべてのシステムでDDR4-3200の設定にてメモリを動作させているが、メモリコントローラの違いによる差はあるのだろうか。そこで「AIDA64 Extreme」の「メモリリード」「メモリライト」「メモリコピー」「メモリレイテンシ」の4つのベンチマークを使い、メモリ関連のパフォーマンスをチェックしてみることにした。
Core i7-12700とCore i7-11700Kの比較ではメモリリードは前者が、レイテンシは後者がやや高速なものの、それ以外についてはほぼ同等。またRyzen 9 5900Xとの比較では、すべての項目でCore i7-12700Kが上回り、メモリコントローラについてはIntelのほうが最適化が進んでいるようだ。