エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1085
2021.12.12 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
より長時間ブースト状態を維持することができる第12世代Intel Coreプロセッサの性能を最大限に引き出すため、フェーズ数や搭載パーツだけでなく冷却性能にもこだわった電源回路を搭載 |
電力制御機能が刷新され、新たに「Maximum Turbo Power」が設定された第12世代Intel Coreプロセッサ。出力や冷却に問題がなければ、より長時間ブースト状態を維持できることから、定格での運用でもこれまで以上にマザーボードの電源回路が重要になるのはご存知の通り。
そこで「MEG Z690 UNIFY」では、応答性に優れるダイレクトフェーズ設計による19+2フェーズにおよぶ大規模な電源回路を搭載する。またMOSFETには、現状では最高クラスの出力を誇る「105A Smart Power Stage」を採用。さらにより迅速に、歪みのない電流をCPUに供給できる「デジタルPWMコントローラ」や、十分な出力を可能にする2系統の8pinコネクタ、「Titanium Choke III」、10年以上の使用に耐えるアルミコア設計の「日本メーカー製固体コンデンサ」など、搭載するパーツも最高品質のもので固められている。
CPUコア向けには上位モデル「MEG Z690 ACE」と全く同等となるダイレクトフェーズ設計による19フェーズ電源を搭載する |
電源回路はCPUソケット左側に12フェーズ、上側に9フェーズの全21フェーズ構成。実装密度はかなり高いが、チョークコイルの間にはエアフローを考慮して隙間が設けられている |
MOSFETには、Intel Z690チップセットマザーボードの中でもハイエンドモデルの一部にしか採用されていない「105A Smart Power Stage」を搭載する |
補助電源コネクタはもちろん8pinx2。オーバークロックをする場合でも出力が不足することはないだろう | PWMコントローラにはデジタル制御に対応するRenesasの「RAA229131」を採用 |
そして電源回路の冷却には、リアインターフェイス部分まで迫り出した大型の「アルミニウム拡張ヒートシンク」や、熱伝導率7W/mkの「高熱伝導サーマルパッド」、2つのヒートシンクを接続して放熱面積を拡大する「ヒートパイプデザイン」、信号劣化を抑える効果もある2オンス銅層を備えたサーバーグレードの8層基板「IT-170 Server Grade PCB」などを組み合わせることで、高負荷時でも安定した出力を可能にしているワケだ。
2ブロック構成のヒートシンクはL字型のヒートパイプで連結。またCPUソケット左側のヒートシンクは、放熱面積を拡大するためリアインターフェイス部分まで大きく迫り出している |
ヒートシンクには、MOSFETだけでなく、チョークコイルの接触部分にも熱伝導シートが貼り付けられていた |
「MEG Z690 UNIFY」に実装されているチップセットは、LGA1700プラットフォーム向け最上位のIntel Z690だ。チップセット自体にもPCI-Express4.0レーンを備え、複数台のPCI-Express4.0(x4)SSDを搭載可能。またCPUとの接続もこれまでのDMI3.0x8からDMI4.0x8へと帯域幅が増加している他、CPUのPCI-Expressレーン分割機能やオーバークロック機能を備える。
チップセットにも薄型の大型アルミニウムヒートシンクを搭載 |
第12世代Intel Coreプロセッサ向け最上位チップセットIntel Z690。TDPは6Wで、USB3.2 Gen.2×2やIntel Wi-Fi 6E AX211等に対応する |