エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1085
2021.12.12 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
NVMe M.2 SSDを効率よく冷却するため、すべてのM.2スロットにSSDを両面から冷却する「Double-sided M.2 Shield Frozr」を搭載する。そこで今回はCPU接続の上段M.2スロットにSSDを搭載して、ストレステストとして「CrystalDiskMark 8.0.4」をデータサイズ64GiB、テスト回数を9回に設定して3回連続で実施。その温度と転送速度を確認してみることにした。なお「HWiNFO」では、SSDのログが取得できなかったため、温度は「CrystalDiskInfo 8.12.12」、転送速度は「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果をそれぞれ採用している。
ヒートシンクなしの「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 | ヒートシンクありの「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 |
SSDの温度だけを見ると、ヒートシンクなしの73℃に対して、ヒートシンクありでも65℃まで上昇しており、その差はあまり大きくないように感じるかもしれない。しかし、実際にはヒートシンクなしの状態ではテスト開始から一気に温度が上昇し、1回目のテスト途中からサーマルスロットリングによる速度低下が発生した。そして2回目以降のテストでは読込が1,500MB/sec前後、書込は1,300MB/sec前後までスコアが落ち込んでしまう。しかしヒートシンクを搭載することで、SSDの温度上昇は緩やかになり、3回目でも読込は7,000MB/sec前後、書込も4,500MB/secを維持することができる。
ヒートシンクなし:アイドル時のサーモグラフィ | ヒートシンクなし:高負荷時のサーモグラフィ |
ヒートシンクあり:アイドル時のサーモグラフィ | ヒートシンクあり:高負荷時のサーモグラフィ |
またサーモグラフィの結果を確認すると、ヒートシンクなしの状態では高負荷時には最高95.9℃まで温度が上昇している。MSI「MEG Z690 UNIFY」にはすべてのスロットにヒートシンクが用意されていることから、必ずヒートシンクを取り付けた状態で運用するようにしよう。
「MEG Z690 UNIFY」では、CPUが必要とする電力を安定して供給できるよう、19+2フェーズにおよぶ堅牢な電源回路に加え、リアインターフェイス部分にまで迫り出した拡張ヒートシンクを搭載するなど冷却機構も充実している。そこで本項では、ストレステストとしてAVXが有効になる重量級テスト「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」を使い、電源回路の温度を確認していこう。なお今回使用したオールインワン型水冷ユニット「MEG CORELIQUID S360」のウォーターブロックには、冷却ファンが実装されているが、周囲をプラスチックのカバーで覆い、ファンからの風をできる限りカットしたより過酷な条件でも計測を実施している。
ファン有効時のサーモグラフィ | ファン無効時のサーモグラフィ |
冷却ファンを有効にした状態では最高59.5℃、無効にした状態でもMOSFETの温度は最高61℃までしか上がらず、拡張ヒートシンクの冷却性能は非常に優秀だ。CPUソケット周りのエアフローが制限されるスタンダードなオールインワン型水冷ユニットを搭載した場合でも、冷却性能が不足することはないだろう。