エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1086
2021.12.16 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
ASRock「Z690 Taichi」 市場想定売価税込79,750円(2021年12月3日発売) 製品情報(ASRock) |
リリース当初の予定をやや前倒しする形で、ASRockからIntel Z690マザーボードのフラッグシップモデル「Z690 Taichi」が発売された。DDR5メモリの流通在庫が払底した状況を見据えてか、ローンチ時点では先行してDDR4対応モデルのみを展開。その後あまり情勢は変わっていないわけだが、ASRockファンにとってはようやく待望のスーパーハイエンドが登場したことになる。
第12世代Intel Coreプロセッサの解禁から約1ヶ月を経て、遅れてやってきたASRockのフラッグシップモデル。堅牢な電源回路や独特なギミックを備えている |
その外観を特徴付けているのは、「Taichi」シリーズのアイコンたるギアをあしらった印象的なデザイン。I/Oカバーには内蔵モーターによるギアの回転ギミックを仕込むなど、ASRockらしい遊び心も盛り込まれている。
もちろんこだわりはデザインだけではなく、第12世代Intel Coreプロセッサにとって重要さを増した電源周りもまた、フラッグシップに相応しい構成だ。「105A SPS(Smart Power Stage)」を採用した20(19+1)フェーズ電源回路を搭載、その冷却を担う大型の「XXLアルミニウム合金製ヒートシンク」にはアクティブファンの「パーソナライズMosファン」を取り付けることができる。
また、基板設計には通常の2倍の銅箔層を設けた「2oz 銅箔層PCB」および「Low-Loss PCB」を採用。低発熱かつエネルギー効率に優れた特性を備え、システムの安定した動作を支えてくれる。
105A対応のSmart Power Stageで構成される合計20フェーズの電源回路、「2oz 銅箔層PCB」などを採用した高信頼設計を特徴とする |
DDR5メモリスロットとPCI-Express5.0拡張スロットには、技術的難度が高い表面実装技術が採用されている | マザーボードに記憶領域を設け、ドライバディスクやUSBメモリを使用することなくドライバをインストールする便利機能も備える |
メモリスロットはDDR5-6,400MHz×4を搭載し、ストレージはすべてに専用ヒートシンクを装備したPCI-Express4.0対応の「Hyper M.2」を実装。さらに最新のPCI-Express5.0に対応した拡張スロットを備えている。なお、DDR5メモリスロットと拡張スロットはいずれも頑丈な装甲仕様になっているほか、信号の流れを改善して安定性を高めた「表面実装技術(SMT)」で実装されている点もトピックだ。
そしてネットワーク機能は、有線としてはKiller E3100 2.5ギガビットLAN+IntelギガビットLANを搭載。ワイヤレスはKiller AX1675によるWi-Fi 6E+Bluetooth 5.2に対応し、有線+無線の同時利用で帯域を割り当てる「Killer DoubleShot Pro」もサポートしている。
黒を基調としたパッケージに金字をあしらった、高級感が漂う「Z690 Taichi」のパッケージ |
内部にはオリジナルのVGAホルダーや電源ヒートシンク用の冷却ファン、ワイヤレスアダプタ用ブラケットなど、豊富な付属品が収められていた |
そのほか、最大40GbpsのThunderbolt 4をデュアル搭載するなど、インターフェイスも充実。マウス・キーボードを異なるコントローラに接続して帯域幅を確保する「ライトニング ゲーミングポート」も備え、昨今数を増やしている高レポートレートデバイスの実力を最大限に引き出すことが可能だ。
なお、ハイエンドモデルらしく付属品も実用的なものばかり。重量級グラフィックスカードを支える「グラフィックスカードホルダー」のほか、ワイヤレス機器のアダプタを可能な限り離して設置するための「ワイヤレスドングルUSBブラケット」などが同梱されている。