エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1091
2021.12.31 更新
文:撮影・松枝 清顕(解説)/ 検証セッション・池西 樹
最後に非接触型デジタル温度計によるヒートシンクのポイント別温度と、サーモグラフィの結果を確認していこう。CPUはCore i7-12700Kで、ストレステストは「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」を使用している。
高負荷時のポイント別温度計測結果 |
アイドル時のサーモグラフィ結果 | 高負荷時のサーモグラフィ結果 |
ポイント別温度を確認するとCPUに触れているベースプレート上部の温度は45.2℃で最も高く、ヒートパイプによって熱が移動されるため、CPUから離れるに従って温度が下がっていく理想的な結果だった。またサーモグラフィの結果を確認すると、ヒートパイプ部分の温度がヒートシンクより明らかに高くなっており、ヒートパイプの内部を熱が移動している様子が見て取れる。
先代「虎徹 MarkⅡ」(型番:SCKTT-2000)のデビューは2017年6月だから、かれこれ4年7ヶ月が経過していることになる。あくまで主観だが現在の自作PC・冷却市場では、水冷(AIO)よりも、空冷にロングセラーが多いように思う。ことサイズのCPUクーラーは国内パーツメーカーという安心感も手伝って、長く売れ続ける傾向にある。サイズは熱心な自作派から愛されているのだなぁとつくづく思う。
だが、単に安心感やブランド力だけではロングセラーが生まれるはずもなく、実力こそ最重要ポイントであることは言うまでもない。今回取り上げた虎徹MarkⅡ Rev.Bは、先代の完成されたヒートシンクを引き継ぎ、冷却ファンとリテンションの改良により、新たなロングセラーへの道のりがスタートした。
検証結果については、ご覧頂いた通り。「最大で2℃性能がUPされている」というサイズ・S氏のフレコミは本当で、KAZE FLEX II 120が冷却性能をしっかり引き上げている。さらに第12世代Intel Coreプロセッサはもとより、AMD Ryzenも十分に冷やす実力派サイドフロー型CPUクーラーのコストパフォーマンスは圧倒的で、これ以上改良を加える理由が見当たらない。2022年の自作PC・冷却市場は間違いなく虎徹MarkⅡ Rev.Bに注目が集まるだろう。
協力:株式会社サイズ