エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1091
2021.12.31 更新
文:撮影・松枝 清顕(解説)/ 検証セッション・池西 樹
ここからはサイズ「虎徹MarkⅡ Rev.B」を実際にPCに組み込み、その冷却性能を確認していく。まずはMaximum Turbo Powerが190Wに設定されている、第12世代Intel CoreプロセッサのハイエンドモデルCore i7-12700Kの結果からだ。ストレステストは「OCCT 10.0.4:CPU:データセット大」と「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」の2種類で、マザーボードのファンコントロール機能は初期設定のまま。ファンの構成は標準のシングルファンと、付属のクリップを使い「KAZE FLEX II 120」を追加したデュアルファン構成でもテストを実施している。なお各種データは「HWiNFO64 v7.16」で取得し、CPUの温度は「CPU Package」、動作クロックは「P-core 0 Clock」の数値を採用。また騒音値はファンから30cmところに設置した騒音計を使い計測している。
まずは第12世代Intel CoreプロセッサのハイエンドモデルCore i7-12700Kを使い検証を実施した |
CPU温度やクロック、ファン回転数などの取得には「HWiNFO64 v7.16」を使用 |
まずシングルファン動作時の結果を確認すると「OCCT 10.0.4」はテスト開始時が75℃前後、テスト後半は90℃前後だった。突発的に温度が上がるシーンでも95℃を超えることはなく、サーマルスロットリングによるクロック低下も一切見られない。
また「CINEBENCH R23」の温度はほぼ90℃前後で推移し、こちらもサーマルスロットリングのしきい値まではまだ余裕がある。ちなみにPackage Powerはいずれのテストでも「Maximum Turbo Power」を上回り、定格駆動ながらブースト機能によってCPUの性能を最大限に引き出すことができている。
続いてデュアルファン動作時の結果を確認すると「OCCT 10.0.4」「CINEBENCH R23」とも温度は約2~3℃低下している。なお動作クロックやPackage Powerには違いはなく、ブースト機能自体への影響はないようだ。
アイドル時のファンの回転数はいずれも360rpm前後、ノイズレベルも34dBA以下でファンレスとほとんど変わらない。また高負荷時の回転数はシングルファン、デュアルファンともほぼ公称最高値となる1,550rpm台を記録。騒音値はシングルファンが約43dBA、デュアルファンでは約45dBAまで上昇した。今回はバラック状態でのテストということもあり、それなりに風切り音は聞こえてくるが、耳障りな高周波ノイズは少なく、テスト中でも不快に感じることはなかった。