エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1094
2022.01.08 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
メインストリームクラスの製品ながら計14フェーズの充実した電源回路と、大型のヒートシンクを搭載している「MAG B660M MORTAR WIFI DDR4」。テストセッションのラストは「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」による負荷テストを実施して、MOSFETの温度がどのように変化するのかチェックしていこう。なおCPUには、これまで検証に使用してきたCore i5-12400に加えて、最上位モデルCore i9-12900Kを用意し、いずれも「Select CPU Cooler type」では「Water Cooler」を選択している。
まずPackage Powerが75W前後に収まるCore i5-12400の結果を確認していこう。今回検証に使用したオールインワン型水冷ユニット「MEG CORELIQUID S360」には、ウォーターブロック部分に空冷ファンが搭載されていることもあり、高負荷時でも最高温度は37℃までしか上がらず、電源回路や冷却性能にはまだまだ余力が残されている。
さらにPackage Powerが最高で260Wを超えるCore i9-12900Kでも、MOSFETの温度は55℃で頭打ち。テスト中にPackage Powerや動作クロックが低下することもなく、フラッグシップCPUの性能を十分に引き出すことができていた。
LGA1700向けのミドルレンジチップセットとして登場したIntel B660。CPUのオーバークロック機能やレーン分割機能が省略されるなど、上位モデルとの違いは確かにある。ただし、冒頭でも触れた通り、これらの機能は以前に比べると使うシーンは少なくなっている。
またIntel B560からはメモリのオーバークロック機能が解禁されたことで性能差は縮まり、限界までチューニングするような使い方をしない限り、上位チップセットとの違いを感じることはないだろう。
そして今回の主役である「MAG B660M MORTAR WIFI DDR4」に目を向けると、Core i5-12400はもちろんのこと、Core i9-12900Kをも安定動作させることができる堅牢な電源回路と強力な冷却システムを搭載する。さらに2,000MB/secに迫る転送速度を備えたUSB3.2 Gen.2×2 Type-Cや、2.5ギガビット有線LAN、Wi-Fi 6無線LANなど最新インターフェイスも充実している。
Intel Z690チップセットを搭載するローエンドモデルより安価ながら、機能面では上回るところもある「MAG B660M MORTAR WIFI DDR4」は、同時に発売が開始された「Non-K」シリーズはもちろん、よりブースト機能の効果が高い「K」シリーズとの組み合わせにも十分オススメできる製品だ。
協力:協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社