エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1096
2022.01.18 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
最終セッションでは構成パーツを用意し、XPG DEFENDER PROをベースにPCを1台組み込んでみる。資料やマニュアル、製品サイトでは紹介しきれていない部分や、組み込み作業で初めて気がついた事、搭載後の周辺クリアランス、注意点などをポイント別に解説していこう。
まずはマザーボードを搭載してみたい。用意したのは最も選ばれるであろうATX規格のGIGABYTE「B550 VISION D」。外形寸法は幅は縦305mm、幅244mmのAMD Socket AM4対応モデルだ。
搭載作業は、予め装着済みのスタンドオフに、付属のMotherboard Screwsでネジ留め。左側面は開口部が広く、作業の妨げになるものがないため、スムーズに取り付けは完了した。なお、マザーボード搭載後の各空きスペースは、天板までが約65mm、フロントファンまでが約125mm。特に右手のエリアにあるグロメット付きスルーホールは、4箇所全てが利用できる事が分かる。
次にCPUソケット周りのクリアランスをまとめてチェックしておこう。CPUクーラーの有効スペースは高さ170mmまで。CPUの上にレーザー距離計を置き、強化ガラス製サイドパネルの内側にマーカーを貼り付けて計測してみると、デジタル表示は177mmを指した。念のため複数回測り直してもほぼ同じ数値で、誤差の範囲としてはやや開きはあるものの、数値が大きい分には問題としない。
公称170mmのところ、実測は177mm。とは言え、CPUクーラー選びには170mmが上限を前提にチョイスして欲しい |
CPUクーラーメンテナンスホールも計測しておこう。開口部(各最大部)は実測で幅約200mm、高さは約130mmだった。画像を見て頂ければお分かりのように、ミドルタワーPCケースとしてはカットアウト面積が広く、マザーボード備え付けのバックプレートも問題なく露出できている。
ボトムマウントの電源ユニットは「XPG CORE REACTOR 850W」(型番:COREREACTOR850G-BKCJP)を用意した。2020年末に発売された80PLUS GOLD認証モデルで、ケーブルはフルモジュラータイプ。外形寸法は幅150mm、奥行き140mm、高さ86mmで、電源規格はATX 12V Ver.2.52となり、Fluid Dynamic Bearingの120mmファンが搭載されている。有効スペースは、出荷時で奥行き220mmまで。つまり奥行き140mmの電源ユニットは問題なく搭載できる計算だ。
ケーブルコネクタは必要本数を挿した状態で電源ユニットを固定。同じフロアを占有するシャドウベイユニットまでの距離は、実測で約80mmだった |
搭載手順は右側面のボトムカバー開口部より、電源ユニット本体を挿入。背面から4本のインチネジで固定する。XPG CORE REACTOR 850Wはフルモジュラータイプだが、セオリー通り、予め必要なコネクタを挿し終えた状態でインストール作業を行った。言うまでも無く、計算上で80mmの空きスペースが生まれるはずだが(実際に約80mmを計測)、モジュラーコネクタの抜き挿しは思いのほかしづらい。手探りで無駄な時間を費やすなら、初めから作業を終えておく方がいいだろう。
ボトムカバー左側面のカット(幅約115mm、高さ約60mm)からは「CORE REACTOR」の文字が露出できている |