エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1105
2022.02.11 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
電源ユニットはトップマウントの縦置き固定。有効スペースは奥行き200mmとされ、搭載テストにはIn Win「CB-1250W」(型番:IW-CB1250)を用意した。80PLUS PLATINUM認証を取得した高効率電源ユニットで、135mmファンを搭載。奥行き180mmのハイエンドモデルだ。
搭載手順は開放状態の右側面から、電源ユニット本体を滑り込ませ、背面から4本のインチネジで締め付ける。ちなみに搭載向きは、135mmファンを左側面方向に向けて固定するスタイルが推奨されている。
有効スペース200mmに対し、奥行き180mmの電源ユニットは難なく固定完了。搭載後のクリアランスをチェックすると、フロントパネルまで実測で約300mmもの広い空間が残されている。余ったケーブル置き場としてもゼイタクな空きスペースだが、なぜ電源ユニットは奥行き200mmに留められているのだろうか。その理由はスルーホールの位置にあった。
電源ユニット搭載スペースの底面には、ATX24pinコネクタが通るスルーホールが設けられている。電源ユニットの奥行き180mmに対し、残りあと45mmの距離に位置する穴は、”ほぼ唯一”電源ユニットから伸びるケーブルが左側面のメインエリアに抜ける道になっている。これは極めて重要で、万一ここを塞がれるとケーブルを通す穴が無い。つまり電源ユニットのトップマウントで構成される「315」が成立しないのだ。広大な空間により一見自由度が高そうな電源ユニット搭載スペース。しかしスルーホールの存在により、実際には制限が設けられている事が分かった。
ここで背面ファンを「Sirius Extreme ASE120」にチェンジ。国内代理店株式会社アユート担当者もオススメする発光ファンは、標準仕様の「Luna AL120」とは趣の異なるイルミネーションを楽しむ事ができる |
マザーボード、電源ユニットの装着が完了したところで、オールインワン型水冷ユニットを搭載してみよう。用意したのはIn Win「SR24 PRO」(型番:LC-SR24 PRO)だ。2020年12月に国内販売がスタートした240mmサイズラジエターモデルで、ポンプには特許取得ツインタービンを内蔵。アルミ製水冷ブロックのヘッド部には、ARGB対応のロゴLEDが搭載されている。
トップ部に垂直マウントした「SR24 PRO」の240mmサイズラジエター。「315」の内部が広いこともあり、チューブ長400mmはギリギリといったところ。とは言えストレスなくうまく収まっている |
まずトップ部にラジエターを右側面からネジ留めし、そこに120mmファン2基を左側面からネジ留め。別途取り寄せたLGA1700用リテンションを使い、ポンプ内蔵型ウォーターブロックを固定した。配線作業が残っているものの、完成図を見れば綺麗に収まっているように見えるだろう。固定作業に右側・左側と多少忙しかったが、これは「315」に限った事ではないため、マイナスポイントにはならない。
ただし「SR24 PRO」のバックプレートのネジ穴部分が膨らんだデザインであることから、CPUクーラーメンテナンスホールの左側縦列が露出できず、一旦マザーボードを外す事になった。どうやら「SR24 PRO」をLGA1700マザーボードに搭載する場合は、開口部の左右幅はもう少し必要である事が分かった。
メンテナンスホール左右幅のカットが僅かに足りず、「SR24 PRO」のバックプレート左縦列の一部が被さる格好。固定したマザーボードを一旦取り外す必要があった。これではメンテナンスホールとしては役不足と言わざるを得ない |
ここで「315」とラジエター設置場所およびサイズについて触れておきたい。内部設計が特徴的な「315」は、電源ユニットを縦置きでトップマウントにしている。この真裏に当たるエリアが、冷却ファンの増設スペースだ。最大3基の120mmファンが搭載でき、おのずと360mmサイズラジエターがマウントできる。確かにIn Winの作例画像では、ここに360mmサイズラジエターが搭載され、高冷却システムが完成しているが、電源ユニットの吸気ファンとラジエターの一部が被る格好である状態には、多少の違和感を覚える人は多いだろう。
ちなみにIn Winに見解を求めたところ「360mmサイズラジエターと電源ユニットの共存は問題がない」という回答を得ているものの・・・。 |
以前検証を行った「303」でも多少触れているが、あくまで搭載は可能であるものの、電源ユニットと重ならないようにするには、240mmサイズラジエターまでが妥当ではないだろうか。どうしても360mmサイズラジエターの冷却性能が捨てきれない場合は、ボトム部を利用する手も残されている。組み込みを行う前のパーツ選定段階で、思いを巡らせておく必要がありそうだ。
ちなみにトップ部に240mmサイズラジエターを搭載した場合、冷却ファンと左サイドパネルまでの空きスペースは実測で約40mmだった |