エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1106
2022.02.14 更新
文:撮影・こまめ
「UL Procyon」はアドビのクリエイター向けソフトの快適さを計測するベンチマークテストだ。このテストでは重いデータや高度な処理を行なうため、ハイアマチュア/プロ向けの作品作り向きと考えられる。比較用のデータは前述の「PCMark 10」と同じく旧世代ミドルハイゲーミングノートPC(Intel Core i7-11800H/16GBメモリ/1TB NVMe SSD/NVIDIA GeForce RTX 3070、比較機①)と、ハイエンドゲーミングノートPC (Ryzen 9 5900HX/32GBメモリ/2TB NVMe SSD/NVIDIA RTX 3080、比較機②)の2機種だ。
「Photo Editing Benchmark」は画像加工に関するテストを行なう。「Image Retouching」は「Adobe Photoshop」メインでメモリとGPUの性能が影響しやすく、「Batch Processing」は「Adobe Photoshop Lightroom Classic」メインでCPUとストレージの性能が影響しやすい。「Video Editing Benchmark」は「Adobe Premiere Pro」を使ったテストで、フルHD (H.264)および4K (H.265)動画の出力にかかった時間が計測される。こちらの結果は総合スコアのみだ。
このテストではCPU性能が強く影響する「Batch Processing」と「Video Editing Benchmark」で、特に優秀な結果となった。「Katana GF66 12U」は本来ゲーミングノートPCではあるが、本格的な創作活動にも利用できるだろう。動画のストリーミング配信などにもおすすめだ。
「CINEBENCH R23」のマルチコアテストを10分間実行し続けた際のCPU温度とCPUクロックを計測したところ、平均としてはCPU温度が94.8℃、CPUクロックが平均2.89GHzだった。テスト開始直後はクロックが3.9GHz前後まで上昇したが、その後は2.9GHz前後を推移している。CPUベンチマークの結果は優秀ではあるものの、高負荷の状態が長時間続く場合は熱対策としてクロックを抑えているようだ。
「CINEBENCH R23」のマルチコアテストを10分間実行し続けた際のCPU温度およびCPUクロックの推移 |
「Katana GF66 12U」を検証して驚いたのは、なんと言ってもCPU性能の高さだ。ベンチマークスコアでは従来のノートPC向けCPUを大きく上回り、前世代のデスクトップPC向けCPUをも凌駕している。多コア化によりある程度性能は向上するとは予想していたが、まさかここまでとは思いもよらなかったというのが正直な感想だ。
CPUベンチマークだけでなく、ゲームやクリエイティブワークのベンチマークでも優秀な結果が出ている。一部のテストでは、前世代のハイエンド機よりも優秀だ。これは革新的な進化と言っていいだろう。ぜひ「Katana GF66 12U」を手に入れて、その驚くべきパワーを体験していただきたい。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社