エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1106
2022.02.14 更新
文:撮影・こまめ
「Katana GF66 12U」では本体内部の冷却に、「Cooler Boost 5」と呼ばれる独自の冷却システムが採用されている。2つの空冷ファンと6本のヒートパイプ、大型の排熱フィンで構成されたシステムは、内部で発生した熱を効果的に排出可能だ。
またエアフローについても、工夫が凝らされている。底面部は刀の鍔(つば)をイメージした非対象のデザインで、六角形状の吸気口がいくつも配置されているのがわかるだろう。穴の空いている部分の真下にあるのはCPUやGPU、メモリ、SSDといった熱の発生源で、穴の空いていない部分の真下は空気を吸い込むための空冷ファン。つまり熱の発生源付近の通気性をよくすることで、効果的に冷却しているわけだ。
「Katana GF66 12U」の底面部。一見すると吸気口が不規則に配置されているように見えるが、熱を発生しやすい箇所にだけ穴が空いていることがわかる |
2基の空冷ファンと6本のヒートパイプ、3つの冷却フィンで構成された「Cooler Boost 5」 |
左右の空冷ファン |
しかし穴を不規則に開けると、強度面が心配だ。底面カバーの剛性がいくぶんか減ってしまう可能性がある。それを構造的に補うために、「Katana GF66 12U」ではやや多めのネジが使われているようだ。筆者の経験では底面部のネジは通常8~10本程度だが、「Katana GF66 12U」では13本も使われている。また最近のノートPCとしてはフットプリントがやや大きくて厚みがあるのも、熱対策と高い強度を確保するためのものだろう。これら仕組みによって、強度と冷却性能を両立させていると思われる。
排気口は本体背面と左側面 | 排気口の部分に空冷フィンが配置されている |
本体内部は比較的シンプルなレイアウトだ。無理に詰め込んだ部分はなく、配置的には余裕がある。拡張性も十分ではあるものの、ユーザー自身が分解やパーツ交換を行なうとメーカー保証の対象外となるので注意していただきたい。ストレージの増設等は、MSI公認サポート店のみで対応している。
ストレージ用とWi-Fiカード用のM.2スロット(写真左)。マザーボード中央付近には、Type-2280のM.2スロットが用意されている(写真右) |
メモリースロットは2基。規格はDDR4 3200 |
余談だが、底面カバーの裏には重量調整用のカウンターウエイトが取り付けられていた。これはキーボード側を重くすることで、ディスプレイ開閉時に転倒しないようにするためのもの。ともすれば軽量化が重視されるノートPC市場ではあるが、利用者の使い勝手を重視した調整には好感が持てる。
重量バランス調整用のカウンターウエイトが底面カバー裏に取り付けられていた |