エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1106
2022.02.14 更新
文:撮影・こまめ
ここからは「Katana GF66 12U」のベンチマーク結果を交えながら、実際のパフォーマンスについて解説する。評価機のスペックは、CPUがIntel Core i7-12700Hでメモリ容量は32GB、ストレージは1TB PCI-Express4.0 M.2 SSD、グラフィックスはNVIDIA GeForce RTX 3070 Tiだ。
なおベンチマークテストの実施あたりWindows 11の電源モード「最適なパフォーマンス」に設定。さらに「MSI Center」の「User Scenario」で動作モードを「究極のパフォーマンス」に変更した上で、空冷ファンを最大出力で動作させる「クーラーブースト」を有効にしている。ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミングなどで大きく変わることがあるため、あくまで参考値として考えていただきたい。また文中で触れている他パーツとの比較値は、筆者調べによるものだ。
まずはCPU性能を計測する「CINEBENCH R15」および「CINEBENCH R20」の結果から。
Intel Core i7-12700H搭載の「Katana GF66 12U」では、信じられないほどの結果となった。従来のゲーミングノートPC向けCPUのスコアを大きく上回ったのはいいとして、デスクトップPC向けの第11世代Intel Core i7/Core i5のスコアまで上回ったのだ。それもマルチコアのスコアだけでなく、シングルコアのスコアでもだ。この結果だけで考えるなら、Intel Core i7-12700Hはひと世代前のスタンダードデスクトップPCを大きく上回ることになる。もちろん、ノートPCとしては最高クラスのパフォーマンスだ。モバイル向けとしてはこれまでの常識を大きく変える、エポックメイキングなCPUと言っていいだろう。
ストレージとしては、512GBまたは1TBのPCI-Express4.0 M.2 SSDが使われている。評価機で使われていたのは、Micronの「2450」シリーズ(MTFDKBA1T0TFK)だった。アクセス速度を計測したところ、シーケンシャルアクセスは3,500MB/sec前後。従来のPCI-Express3.0よりもやや速い程度の結果だ。これはSSDの上限がリード3,500MB/sec、ライト3,000MB/secであるため。より高速なSSDを利用すれば、優れた結果が出るだろう。とは言え、これでも十分優秀な結果だ。
データサイズを64GiB、テスト回数を「9回」に変えて計測を3回連続で行なってSSDに高い負荷をかけたところ、シーケンシャルアクセスには違いが見られなかった。ランダムアクセスでやや速度が低下しているが、大きな影響はないと考えていい。
「CrystalDiskMark 8.0.4 x64」による1TB PCI-Express4.0 M.2 SSDのアクセス速度計測結果。左が通常時で、右が高負荷時 |
3Dベンチマークソフト「3DMark Version 2.22.7336」から、DirectX 12のパフォーマンスを計測する「Time Spy」の結果は以下のとおり。
「Katana GF66 12U」で使われているNVIDIA GeForce RTX 3070 Tiは1440pターゲットのミドルハイGPUだけあって、2,560×1,440ドット時のパフォーマンスを計測する「Time Spy」では十分な結果となった。スコアが1万を超えるのが理想ではあるものの、わずかに足らない程度だ。前世代のNVIDIA GeForce RTX 3070の平均値をやや下回る結果だが、メーカーによると「W数のチューニングによるもの」とのこと。性能的にはわずかな差で問題ないと言っていい。