Fractal Design「Torrent Compact」外観デザインチェック

ここからはFractal Design国内正規代理店の株式会社アスク（本社：東京都千代田区）よりホワイトモデル、Torrent Compact White TG Clear（型番：FD-C-TOR1C-03）を借り受け、実機による詳細検証を開始しよう。パッケージから取り出したTorrent Compactは、さすがに兄貴分のTorrentよりも小さく、ちょっと大きめなミニタワー筐体にも見える。

フロントパネルデザインと着脱方法

製品名通り、コンパクトには見えるものの、フロントパネルデザインはTorrentのそれで、忠実に継承されている。最大の特徴であるオープンフロントグリル・デザインのY字型ベントは、Fractalのラインナップ中、最も高い通気性が特徴。正面から見ると標準装備の冷却ファンがハッキリ確認できるが、奥行きのあるグリルを装着することで、見る角度により違う表情に変わる。機能性を両立させた計算されたデザインはいかにもFractalらしい。

後に紹介するフロントパネル部標準の180mmファン2基の存在が、圧倒的に高エアフローPCケースを特徴付けている

フロントパネル部の主素材は、成形が自由なプラスチック。四隅の角をカットすることで、無骨になりがちな筐体をしっかりとデザインしている。もちろん着脱も可能で、下部のヒンジを引っ掛け、上部2箇所のラッチ機構で固定。ツールフリーで余分な力を必要とせず、スマートに取り外しができる。

固定には上部2つのラッチ機構を採用。フロントパネル裏面には全面をカバーする防塵フィルタが装着されており、メンテナンスが容易にできる

なおフロントパネル面積の大部分をカバーする防塵フィルタは、プラスチック製の枠部分をフロントパネルの枠部分にツメで留める固定方式を採用。上部にあるハンドル状の持ち手を外し、防塵フィルタ全体を上方向にスライドすれば簡単にリリースできる。

普段見えない防塵フィルタだが、Torrentとほぼ同じフレームデザインである点が興味深い。細かく見比べると、横列の1ラインが1本分少ない事が分かった

スイッチとフロントアクセスポート

フロントトップ部には、横一列にスイッチ&アクセスポートがレイアウトされている。中央の丸ボタンはPowerスイッチで、その左右を固めているのがUSB3.0ポート。さらに右手にUSB3.1 Gen.2 Type-Cポート、Resetスイッチが並ぶ。なお左端の2つはHD Audio（マイク/ヘッドホン）端子だ。

Powerスイッチのデザインは、近ごろの自動車のスタートボタン（エンジン）にとても似ている。どちらもここからが”始まり”だ