エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1115
2022.03.10 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
テストセッションのラストは電源回路に実装されている、大型ヒートシンクの冷却性能をチェックしていこう。ストレステストは「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」を使い、MOSFETの温度は「HWiNFO」にて取得している。
定格時は最高54℃、消費電力が約20W増える250W設定でも最高56℃までしか上がらず、正直BIOSTAR「B660GTQ」にとって、Core i5-12400の負荷は軽すぎるようだ。そこで、より高負荷条件でのテストを行うため、空冷クーラーでの現実的な選択肢としては最高クラスとなるCore i7-12700Kでもテストを実施してみることにした。
Core i7-12700Kでは、標準でPL値は事実上の無制限となる4,095Wに設定されていたためそのままテストを実施した |
Package Powerは170W前後、システム消費電力はCore i5-12400から約100Wアップになる240Wまで上昇したが、MOSFETの温度は最高71℃で頭打ち。高品質なパーツで構成される堅牢な電源回路と大型ヒートシンクを組み合わせた「B660GTQ」であれば、ハイエンドモデルのCore i7-12700Kでもその性能を限界まで引き出すことができる。
Intel B660チップセットマザーボードの中ではちょうどミドルレンジに位置づけられるBIOSTAR「B660GTQ」。無線LAN機能や帯域幅20GbpsのUSB3.2 Gen.2×2 Type-Cなどハイエンドモデルに比べると省略されている機能はあるものの、2.5ギガビットLANや、ヒートシンク付きのM.2スロットといった今どきのPCに求められるものは網羅され、一般的な運用であれば不満を感じることはないだろう。
またIntel B660チップセットモデルでは非対応の製品も多い、PCI-Express5.0をサポートしているのも、将来性を考えると大きなメリットだ。
そして第12世代Intel Coreプロセッサを使う上で重要な電源回路については、エントリークラスの製品とは一線を画す仕上がりで、Non-KモデルはもちろんKモデルとの組み合わせでもその性能を最大限に引き出すことができる。オーバークロック機能は不要だが、品質に妥協はしたくないならBIOSTAR「B660GTQ」は丁度いい選択肢になるだろう。
協力:BIOSTAR Microtech International
株式会社アユート