エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1122
2022.03.31 更新
文:撮影・編集部 池西 樹
CORSAIR「DOMINATOR PLATINUM RGB DDR5」シリーズ「CMT32GX5M2B5600C36」 実勢売価税込50,000円前後(2022年3月現在) 製品情報(CORSAIR) |
x86系CPUでは初の「ハイブリッド・アーキテクチャ」や、従来の2倍の帯域幅を誇るPCI-Express5.0など多くの最新機能が盛り込まれた第12世代Intel Coreプロセッサだが、その特徴のひとつにDDR5メモリの対応がある。
DDR5メモリでは、ノイズの影響を抑えるため電源管理モジュール(Power Management IC/PMIC)がマザーボードからメモリ側に移行されている他、DRAMチップ内のエラーを訂正する「オンダイECC」を搭載することで、信頼性・安定性を高めている。
また動作クロックは4,800MHz(JEDEC仕様上は3,200MHzから)からラインナップされ、DDR4の標準最大クロックである3,200MHzから50%も向上。さらにバンクグループやバースト長も2倍になり、実行帯域が大きく引き上げられている。
DDR4で「Gear 1」に設定するとメモリ(赤線)とメモリクロック(青線)は同じクロックで動作する | DDR5では「Gear 2」の設定しかできずメモリコントローラ(青線)はメモリ(赤線)の半分のクロックで動作する |
ただし、高クロック化の代償としてメモリタイミングは全体的に高めに設定されている。またメモリとメモリコントローラのクロック比もDDR4では同クロックで動作する「Gear 1」設定(1:1)が可能なのに対して、DDR5ではメモリコントローラのクロックがメモリクロックの半分になる「Gear 2」設定(2:1)になるというデメリットがある。そのあたりが実際の処理速度にどの程度影響があるのか後半のテストセッションで明らかにしていきたい。
今やCPU、グラフィックスカード、マザーボード以外、すべてのパーツや周辺機器が揃うPC関連の総合メーカーといった様相のCORSAIRだが、その原点であるDRAM関連製品は相変わらず充実している。
DDR5メモリのハイエンドモデル「DOMINATOR PLATINUM RGB DDR5」シリーズには、今回の主役である5,600MHzモデル「CMT32GX5M2B5600C36」の他、動作クロックは4,800MHz、5,200MHz、6,200MHzの計4種類から選択でき、5,600MHzモデルにはホワイトのカラーバリエーションもラインナップ。また容量は16GBx2/32GBx2、レイテンシはCL36/38/40が用意され、用途に合わせてユーザーが好みの製品を選択できるようになっている。
「DOMINATOR PLATINUM RGB DDR5」シリーズには、12個の高輝度LED「CAPELLIX RGB LED」を搭載したアルミダイキャストヒートスプレッダを搭載 |
いずれもメモリチップは厳選された高品質なものを使用し、信号品質やオーバークロック耐性に優れたカスタムPCBを採用。さらに12個の高輝度LED「CAPELLIX RGB LED」を搭載したアルミダイキャストヒートスプレッダを使い、メモリチップとPCB自体のグランドプレーンを冷却する「DHX Cooling Technology」を組み合わせることで、高負荷状態が長時間続くような過酷な状況でも安定動作を可能にしている。
メモリプロファイルはIntel XMP3.0、プラットフォームはIntel 600シリーズに対応し、製品には永久保証が提供される。なおCORSAIRからはスタンダードなDDR5メモリとしてコンパクトなアルミニウムヒートスプレッダを採用する「VENGEANCE DDR5」シリーズもラインナップ。こちらは4,800MHz、5,200MHz、5,600MHzの3種類の動作クロックが用意されている。
大型のCPUクーラーとの組み合わせに向く、コンパクトな「VENGEANCE DDR5」シリーズもラインナップ |