エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1131
2022.04.22 更新
文:撮影・こまめ
「Stealth 15M B12U」の底面カバーを外して本体内部を確認したところ、メインボード全面に保護フィルムのようなものが貼り付けられていた。フィルムの一部をめくって基盤を確認したところ、通常のノートPCとは逆にメインボードが取り付けられていたためメモリースロットやヒートパイプを確認できなかった。なおユーザー自身が分解やパーツ交換を行なうとメーカー保証の対象外となるので注意していただきたい。パーツの交換等は、MSI公認サポート店(URL:https://jp.msi.com/page/msi_support)のみで対応している。
保護フィルムで覆われた「Stealth 15M B12U」のメインボード | フィルムをめくると、CPUとGPUの配置箇所が現われた。これ以上の分解は困難なので、今回はここで断念 |
左下の放熱シートの下にはType-2280のNVMe SSD | 左側空冷ファンのそばにはWi-Fiカード |
「Stealth 15M B12U」では、「Cooler Boost 5」と呼ばれるMSIオリジナルの冷却システムが採用されている。同じシステム名でも機種によって冷却パーツの構成が異なるが、「Stealth 15M B12U」では冷却ファンが2基でヒートパイプは4基、冷却フィンは4基の構成だ。
左右の空冷ファン。ファンは冷却フィンと直結しており、熱は速やかに排気口から排出される |
排気口は背面と左右側面 |
吸気口は本体底面部とキーボード上部 |
以下のグラフは、高負荷時におけるCPU/GPUの温度推移とコアクロックの推移を表わしたものだ。CPU温度については開始から4分程度までは95℃付近を推移していたものの、それ以降は88℃あたりに下がっている。平均としては90.6℃だが、ノートPCのCPU温度としてはやや高い。一方GPUのほうに大きな変化はなく、一貫して35度前後を推移していた。
コアクロックについては、PコアとEコアできっちり上下に分かれている。平均クロックはPコアが2.8GHzでEコアが2.36GHz。Intel Core i7-1280Pの最大クロックはPコア4.8GHz/Eコア3.6GHzだが、これは瞬間的なもの。ややパフォーマンスを落としているようにも見えるが、長時間持続した結果としては妥当なところだろう。
CINEBENCH R23のマルチコアテストを10分間実施した際のCPU/GPU温度の推移(左)と、コアクロックの推移(右) |
空冷ファンを最大出力で動作させた状態でキーボード面の温度を計測したところ、ゲーミングノートPCとしてはかなり低く抑えられていた。室温にもよって左右されるが、おそらく熱に関しては問題ないと思われる。ただし空冷ファンの音が大きく、簡易騒音計で計測した結果は55.5dBAだった。部屋の外にまでうっすらと聞こえるほどなので、静かな場所や夜には周囲への配慮が必要だろう。標準収録ユーティリティーの「MSI Center」(後述)でパフォーマンス設定やファンの回転数を調整できるので、ぜひ活用していただきたい。
CINEBENCH R23のマルチコアテストを10分間実施した直後のキーボード面の温度。高負荷時には空冷ファンを最大出力で動作させている。ゲームで操作するWASDキー周辺の温度は低く、高温部でも問題ない範囲だ |