エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1131
2022.04.22 更新
文:撮影・こまめ
ここからは「Stealth 15M B12U」のベンチマーク結果を交えながら、実際のパフォーマンスについて解説する。評価機のスペックをおさらいすると、CPUがIntel Core i7-1280Pでメモリ容量は16GB、ストレージは512GB PCI-Express4.0 M.2 SSD、グラフィックスはNVIDIA GeForce RTX 3060だ。
なおベンチマークテストの実施あたりWindows 11の電源プランを「高パフォーマンス」に設定。さらに「MSI Center」の「User Scenario」で動作モードを「究極のパフォーマンス」に変更した上で、空冷ファンを最大出力で動作させる「クーラーブースト」を有効にしている。ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミングなどで大きく変わることがあるため、あくまで参考値として考えていただきたい。また文中で触れている他パーツとの比較値は、筆者調べによるものだ。
まずはCPU性能を計測する「CINEBENCH R15」および「CINEBENCH R20」の結果から。
レビュー冒頭でもお伝えしたように、Intel Core i7-1280Pを搭載する「Stealth 15M B12U」ではCPUベンチマークテストにおいて非常に優秀な結果が出ている。同じ第12世代で高電圧&ハイパフォーマンス版のIntel Core i7-12700Hには及ばなかったものの、第11世代のIntel Core i7-11800HやZen 3世代のAMD Ryzen 9 5900HXをベンチマークスコアで大きく上回った。従来のTDP 28Wタイプと同じ軽量薄型ノートPC向けのCPUで、ここまでのスコアが出たのは驚くほかない。Alder Lake-Hシリーズでもかなり驚いたが、Alder Lake-Pシリーズのインパクトはその上を行く。いまやノートPCの転換期が到来したと言ってもいいだろう。「そんな大げさな」と感じる方もいると思うが、ぶっちゃけて言えばこれは相当マジな話だ。
ストレージとしては、512GBのPCI-Express4.0 M.2 SSDが使われている。評価機のSSDは、Micronの「2450シリーズ」(MTFDKBA512TFK)だった。アクセス速度を計測したところ、シーケンシャルリードが3700MB/sec前後。従来のPCI-Express3.0よりもやや速い程度の結果だ。だがこれは使われているSSDの上限がリード3500MB/secであるため。より高速なSSDでは高い熱が発生するため、あえて熱をコントロールしやすいSSDをチョイスしているのかもしれない。とは言え、これでも十分な結果だ。
データサイズを64GiB、テスト回数を「9回」に変えて計測を3回連続で行なってSSDに高い負荷をかけたところ、シーケンシャルリードとランダムアクセスで速度が若干低下している。しかしよほど大容量のデータを長時間連続でアクセスしない限り、体感的には変わらないだろう。
「CrystalDiskMark 8.0.4 x64」による512GB PCI-Express4.0 M.2 SSDのアクセス速度計測結果。左が通常時で、右が高負荷時 |