エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1133
2022.04.27 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
ここからは実際のゲームを想定したベンチマークテストを進めていこう。まずは人気オンラインRPGの最新版「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ」の公式ベンチマークからだ。グラフィックス設定は“最⾼品質”で、1,920×1,080ドット(フルHD)、2,560×1,440ドット(WQHD)、3,840×2,160ドット(4K)の3種類の解像度で計測を⾏っている。
3,840×2,160ドットのスコアは2,638ポイントで、判定も“設定変更を推奨”、2,560×1,440ドットでも5,793ポイントで判定も“普通”に留まり、画質を調整する必要がある。しかし、1,920×1,080ドットまで解像度を下げるとスコアが10,172ポイントに上昇。判定も“快適”を獲得しており、最高品質の美しい映像でもストレスなくゲームを楽しむことができる。
続いて人気バトルロイヤルゲーム「Apex Legends」のスコアを確認していこう。画質設定はプリセットが用意されていないため、できる限り高品質な設定を選択し、解像度は1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドットの3種類。なおフレームレートは「トレーニング」を1分間周回したときのスコアを「CapFrameX」で計測している。
「ファイナルファンタジーXIV︓暁月のフィナーレ」と同様、3,840×2,160ドットや2,560×1,440ドットでは高画質設定のままでは快適な動作は厳しい状態だ。しかし、1,920×1,080ドットでは60fpsを超え、マルチプレイでもストレスなくゲームをプレイすることができる。
人気バトルロイヤルゲーム「フォートナイト」のスコアも確認していこう。解像度はこれまでと同じ3種類で、APIはDirectX 12を選択している。またグラフィックスクオリティは“最高”に加え、“最低”をベースに3D解像度を“100%”、描画距離を“最高”に変更したフレームレート重視のカスタム設定でも計測を行っている。
バトルロイヤルゲームとしては比較的重いゲームということもあり、“最高”品質では1,920×1,080ドットでも60fpsを超えることができず厳しい結果。しかし、フレームレートを重視したカスタム設定では、2,560×1,440ドットや1,920×1,080ドットでは100fpsを上回り、最近価格がこなれてきた144Hzクラスの高リフレッシュレート液晶ディスプレイも視野に入ってくる。
テストセッションのラストは、ストレステスト「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使い、消費電力やGPUの温度、ファンの回転数を確認していこう。
今回はCPUにCore i9-12900KSを搭載したハイエンドPCで検証を行っているが、高負荷時でも消費電力は158Wまでしか上がらず省電力性能は非常に優秀だ。しかし、冷却ファンが50mm径と小さいこともあり、GPUの温度は最高80℃前後、ホットスポットでは90℃超えるなど、エントリークラスとしてはかなり高め。またノイズについてもファンの回転数が4,000rpmを超えることもあり、小型ファン特有の風切り音が気になった。このあたりは小型化とのトレードオフとして割り切る必要があるだろう。
Radeon RX 6000シリーズでは最もエントリークラスに位置づけられるRadeon RX 6400だが、フルHD解像度までなら高画質設定でも多くのゲームがストレスなく動作する。またいわゆる競技向けの設定であれば144Hzクラスの高リフレッシュレート液晶ディスプレイと組み合わせても十分その能力を活かすことができるだろう。
そして「RD-RX6400-E4GB/LP」に目を向けると、冷却性能やノイズについてはある程度目をつぶる必要はあるものの、1スロットかつロープロファイルに対応するコンパクトなサイズは大いに魅力。さらに補助電源コネクタも不要なことから、サイズや電源ユニットの制限でこれまでグラフィックスカードの導入を諦めていた人には待望の製品となるはずだ。
協力:玄人志向