エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1134
2022.04.29 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
それではここからはマザーボードをASUS「TUF B450-PRO GAMING」に戻して、本格的なテストを進めていこう。まずはCPUレンダリングベンチマークの定番「CINEBENCH R15」を使い、CPUの最高パフォーマンスをチェックしていく。
Zen 3アーキテクチャでは特にシングルスレッド性能が改善されていることもあり、シングルコアテストはRyzen 5 3600とRyzen 5 5500の比較でも約14%と大きな差がついた。またRyzen 5 5500とRyzen 5 5600でも約8%と、動作クロック以上の差があり、同じZen 3アーキテクチャでも「Vermeer」のほうが高性能なのは間違いない。
続いてマルチコアテストを確認すると、SMT(Simultaneous Multi-Threading)非対応のRyzen 5 3500と、対応のRyzen 5 5500では約1.7倍もパフォーマンスが向上している。またRyzen 5 3600との比較でもRyzen 5 5500で約8%、Ryzen 5 5600では約19%もの差があり、Zen 3アーキテクチャの有能さがスコアにもしっかりと表れている。
「CINEBENCH R15」に比べて、テスト時間が長く、より実際のシーンに近い性能が測定できる「CINEBENCH R20」のスコアも確認していこう。
シングルコアテストは、Ryzen 5 3500で444pts、Ryzen 5 3600でも476ptsなのに対して、Ryzen 5000シリーズはいずれも500ptsを上回る良好な結果。マルチコアテストも、Ryzen 5 3600の3,518ptsに対して、Ryzen 5 5500は約15%アップの4,066pts、Ryzen 5 5600では約20%アップの4,241ptsをマークし、「CINEBENCH R15」同様Zen 3アーキテクチャが強さを見せる。
「CINEBENCH」系ベンチマークの最後は、マルチコアCPUへの最適化が進んでいる「CINEBENCH R23」のスコアを確認していこう。
シングルコアテスト、マルチコアテストともスコアの傾向は「CINEBENCH R20」とほぼ同じ。Zen 2以前の4/6コアCPUを使っている場合は、Ryzen 5 5500やRyzen 5 5600にアップグレードすることで、「Cinema 4D」アプリケーションのレンダリング速度を大幅に改善することができる。
続いて「V-Ray 5」ベースのレンダリングベンチマーク「V-Ray 5 Benchmark」の結果を確認しておこう。
やはりRyzen 5 3500は、SMTに対応するCPUと比較すると大幅にスコアが落ち込んでいる。また同じ6コア/12スレッドのCPUを比較すると、やはりZen 3アーキテクチャの2モデルが優勢。特にRyzen 5 5600はRyzen 5 5500との比較でも約13%も高いスコアで、同じZen 3アーキテクチャでもL3キャッシュ容量の多い「Vermeer」の優秀さが光る結果になった。
続いて、3Dモデリングソフト「Blender」のパフォーマンスを計測する「Blender Benchmark 3.1.0」の結果を確認していこう。レンダリングにはCPUを選択し、サンプルは「monster」「junkshop」「classroom」の3種類を使用した。
「Blender 3.1.0」でもSMT非対応のRyzen 5 3500は、その他のCPUに大きく差をつけられている。また6コア/12スレッドのCPU同士を比較すると、Ryzen 5 3600に対して、Ryzen 5 5500は約5%、Ryzen 5 5600でも約8%に留まり、これまでのベンチマークに比べると差が縮まっている。ソフトウェアによっては、コアアーキテクチャの変更だけでは劇的な効果が得られないこともあるようだ。