エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1134
2022.04.29 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
テストセッションのラストは、消費電力とCPU温度を確認していこう。アイドル時は起動直後10分間放置した際の最低値を、高負荷時は「CINEBENCH R23」実行時と「ファイナルファンタジーXIV︓暁月のフィナーレ」実行時の最高値を採用している。
シングルコアテストや「ファイナルファンタジーXIV︓暁月のフィナーレ」についてはZen 3モデルがZen 2モデルより低くなった。またマルチコアテストについては、さすがにSMTが無効のRyzen 5 3500には敵わないが、Ryzen 5 3600に対してはZen 3の2モデルの方が低く、ワットパフォーマンスはかなり優秀だ。
また今回はCPUクーラーにRyzen 5 5600付属の「Wraith Stealth」を使用しているが、「CINEBENCH R23:マルチコアテスト」の高負荷テストでもRyzen 5 5600は75.1℃、Ryzen 5 5500は79.9℃で頭打ち。より静音を狙うなら別途CPUクーラーを用意したほうがいいが、ノイズがそれほど気にならないならリテールクーラーでの運用でも全く問題ないだろう。
今回はZen 3アーキテクチャを採用する最新ミドルレンジCPUのRyzen 5 5600とRyzen 5 5500を検証してきた。いずれもコア数は6コア/12スレッドだが、前者は「Vermeer」、後者は「Cezanne」をベースにしていることもあり、パフォーマンスにはクロック以上の差がついた。
特に高リフレッシュレートを狙うゲームシーンではRyzen 5 5600が強さを見せ、前世代の同クラスRyzen 5 3600から最大で30%以上もパフォーマンスが向上している。現在Ryzen 3000シリーズ以前のCPUでゲーミングPCを構築しているならアップグレードを強くオススメする。
最近はRyzen 5 5600Xの価格が急落し、価格差が小さくなっているが、Ryzen 5 5600はCPUクーラーが標準で付属し、消費電力も控えめだ |
また第2世代Ryzenシリーズ以前や、第3世代でもRyzen 3シリーズを使っているならRyzen 5 5500も有望な選択肢になる。Ryzen 5 5600と比べると、ややゲーム性能では振るわないものの、Ryzen 5 3500との比較では軒並みスコアが上昇している。価格もRyzen 5 5600より約5,000円安く、コストを抑えつつPCのパフォーマンスを底上げすることができる。
協力:日本AMD株式会社