エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1140
2022.05.15 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:pepe
MSI「VIGOR GK20」 実勢売価税込2,900円前後(2022年5月現在) 製品情報(MSI) |
最後に紹介する「VIGOR GK20」は、ゲーミングキーボードのファーストチョイスに良さそうな、入門者向けのエントリーモデルと言ったところ。キースイッチには一般的なメンブレンスイッチが採用されており、3,000円を切る価格で購入できるコストパフォーマンスの高さが魅力だ。
引き締まったブラックカラーの筐体には撥水加工が施され、うっかりドリンクをこぼした際も安心。底面にはややシンプルながら、安定感を向上させる「ゲーミングベース」も装着されている。また、ゲーミングデバイスの定番とも言えるイルミネーションの「レインボーライティングエフェクト」も搭載。入力抜けを防ぐアンチゴースト機能、マルチメディア操作のホットキーも複数備えている。
レイアウトは108キー日本語配列(かな刻印)。LED制御は輝度調整のみだが、メディアコントロール用のホットキーも「Fn」キー同時押しで呼び出せる |
コスト重視なモデルとあって、最も一般的なメンブレンスイッチを採用。WASDエリアを中心に合計12キーのアンチゴースト機能を備えている |
十分な角度をつけることができるチルトスタンドを搭載し、フレームは撥水仕様。スペースキー直下にゴム足(ゲーミングベース)を備えるため、安定性は高い |
色んな意味で小細工をしない、シンプルなコストパフォーマンスモデルという感想が「VIGOR GK20」には合っている。メンブレンスイッチ特有の柔らかさが指に伝わる打鍵感も想像通りのもの。コスト云々を抜きにして、この感覚が好きという層も少なくないのではないだろうか。
大型のキーを連打した際こそ多少のモッサリ感があるものの、入力時のガタつきは少なく打鍵感は及第点。他のハイエンドモデルに比べて多少チープに見える点は否めないが、ゾーン指定のイルミネーションや主要部をカバーするアンチゴーストなど、ゲーミングキーボードとしての性能はしっかり備えている。まずは手頃なコストでゲーミングデバイスを試してみたいという向きに、この選択肢が2,000円台で手に入るのは貴重だ。
個性豊かなスイッチのバリエーションや確かな設計の筐体を備えたキーボードが揃う、MSIによるデバイスラインナップ。尖った機能で一点突破を図るようなモデルこそ少ないものの、どれもキーボードとしての機能や使い勝手をシンプルに追求した、完成度の高い製品ばかりだった。
デバイスにあまりコストをかけられない向きには、低価格かつそのコスト以上の機能を備えたコストパフォーマンスモデルもアリ。自慢の高性能モデルだけでなく、広いユーザー層をカバーする懐の深さは、専業メーカーにも負けてはいない。唯一のネックと言えば、(販売チャネルの違いからか)店頭において製品を見かける機会が少ないところ。手軽にポチれるオンライン展開も悪くはないが、今後はより店頭で試せる機会が増えることに期待したい。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社