エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1141
2022.05.17 更新
文:エルミタージュ秋葉原/テストセッション:池西 樹/Tawashi
G-GEAR Aimのサイドパネルには密閉型の「スチールパネル」モデルと左側面に強化ガラスを使用する「GLASS&LED」モデルがラインナップ。評価サンプルは後者で、4mm厚のスモークサイドガラスが装着されていた。「GLASS&LED」が意味するのは見え方へのこだわり。ツクモ曰く、ガラス色濃度を微調整し、背面ファンのRGB LEDがほどよくきらめくようにセッティングされているという。確かに一般的な色付きの強化ガラスよりも色が濃く、輝度の高いRGB LEDのギラつきを抑える意図が伝わってくる。
パネルサイズは実測で幅約365mm、高さ約375mm。額縁部はフロント寄り縦列だけ幅約18mmで、その他3辺は幅約20mm。いわゆる狭額縁で、内部構成パーツが十分露出できている。
シャーシへの固定はヘッドがフラットなハンドスクリューで四隅をネジ留め |
一方、右サイドパネルはフロントパネル、トップパネルのデザインを継承した、密閉ソリッドパネル。シャーシへの固定は背面から2本のハンドスクリューで固定する。何の変哲もないパネルのようだが、興味深いのは裏側下部に貼り付けられているウレタンブロックの存在。サイドパネルを閉じると、ちょうど電源ユニットの側面部に密着する。
これについて、当初スチール製サイドパネルの共振を防ぐ「静音対策」の一部だと理解していた。しかし、後日ツクモの担当部署に確認をしたところ、共振防止に加え、重量物である電源ユニットを支える「輸送事故防止用」のクッション的役割を兼ねているという。輸送を前提としたBTO=Build To Orderならではの仕掛けと言える部分だろう。
実測で40mm四方、高さ25mmの四角形はスポンジより固いウレタンのブロック。右側面から幅150mmの電源ユニットに密着する格好でサイドパネルの防振と、輸送事故を防ぐ文字通りブロックの役割を兼任している |
次にボトムパネルの様子を確認してみよう。なお評価サンプルは組み込み済みの完成品であり、それなりの重量がある。本来PCケースは逆さまにする事を前提に作られていないため、天板が歪みやパーツの脱落など、思わぬトラブルが起きかねない。今回はそれらを考慮して慎重に作業しているが、決して推奨できない状態である事はお伝えしておかなければならない。
まず目に付くのは後方の防塵フィルタ。背面へのスライド着脱式で、素材はプラスチック製だけに水洗いも可能。ユーザー次第だが、常に清潔な状態を保つことができる。なお言うまでもなく、埃を防ぐ対象はボトムマウントの電源ユニット。吸気ファンがゴミや埃を吸い込まないよう、対策が施されている。
また四隅にはプラスチック製台座(インシュレーター)が搭載済み。設置面には滑り止め用ゴムが装着されていた。
プラスチック製インシュレータの高さは実測で約18mmだった | 後方へのスライド着脱式防塵フィルタは実測幅約125mm、奥行き約162mm |
本体背面より、リアパネルの様子を見ていく。上段右側には排気用120mmファンを標準で備え、左手にはマザーボードのバックパネル。中段左寄りは拡張スロットが積み重なり、下段の左右幅いっぱいを占有しているのが電源ユニットだ。このように眺めてみると、レイアウトはオーソドックスかつベーシックな設計である事が分かる。今後はロングセラーのベース筐体が任されているだけあって、奇をてらうことなく腰を据えたモデルに仕上げようとする意図が読み取れる。