エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1141
2022.05.17 更新
文:エルミタージュ秋葉原/テストセッション:池西 樹/Tawashi
ATX規格対応のミドルタワーとは違い、内部容積に限りがあるMicroATX規格対応のミニタワーPCケース。やはり気になるのは、ストレージの収納力だろう。評価機にはマザーボード上のM.2スロットに、1TB「WD Black SN850」(読込最大 7,000MB/sec、書込最大5,300MB/sec)が搭載されていた。PCI-Express4.0(x4)対応のNVMe M.2 SSDで、コントローラにはWD_BLACK G2を搭載。他社BTOでもカスタマイズ向けに選択される事が多く、それだけに製品への信頼性が高い証とも言える。
「TUF GAMING B660M-E D4」標準のヒートシンクを外した状態の「WD Black SN850」。容量は標準で1TBだけに、これだけで事足りてしまう人もいるだろう |
なおカスタマイズにより、2.5インチSSDを2台、3.5インチHDDを1台増設が可能。マザーボードトレイ背面に2.5インチSSD専用ブラケットが2つ装着されており、1~4TBまで5種類が選択できる。
さらに多くのデータを記録・保管しておきたいニーズにも応える準備として、3.5インチHDDは1~8TBまで6種類を用意。設置場所は前寄りの底面で、ネジ穴に合わせたスリットを利用し、インチネジでHDDの底面をベタ置きで固定できる。限られた容量のミニタワーケースとは言え、多くのストレージが増設できる設計はまさにイマドキなのだ。
唯一の3.5インチHDD増設スペースが前寄りの底面。なお購入後、後から増設が必要になった場合を想定し、取り付け方法がサポート情報として公開されている |
CPUソケットの真横に位置するリア部には、120mmファンが1基標準で装備されている。回転数や騒音値などの詳細は公開されていない。ただし実際に動作させてみると十分に静音で、風量もそこそこある事が分かる。採用されているのは、ツクモオリジナル品で、乳白色7枚インペラのRGB LEDモデル。各端子はマザーボードへ接続されており、PC起動時は美しいイルミネーションを楽しむ事ができる。
シャーシへの固定は、5つの穴から任意の箇所にネジ留めが可能。つまり固定位置の微調整ができるというワケだ |
マザーボードトレイ背面のフロント寄り上部には、スリムタイプのハブが装備されていた。これはオールインワン型水冷ユニット、Deepcool「CASTLE 240EX A-RGB」の付属品で、アドレサブルRGBコネクタを合計5口装備。ウォーターブロックやマザーボードと接続する事で、イルミネーションを一括で制御できるようになる。
完成品をそのまま楽しむというパターンが大多数と想定すれば、ケーブルマネジメント機構まで気にするユーザーは稀だろう。とは言え、せっかくの新型PCケースだけに、右側面のソリッドパネルを外した状態で裏配線スペースをチェックしておこう。
評価機が比較的シンプルな構成とあって、始末に負えないほどケーブルが行き交う状態ではない。要所にはスルーホールが用意され、結束バンドを固定する場所もあるようだ。ボトムカバーの空きスペースには不要な電源ケーブルが無造作に束ねられているが、強化ガラス製サイドパネルからは一切見えない。ちなみに裏配線スペースを計測してみると、実測で約20mmほどが確保できていた。完成状態で余力を残す裏配線スペース。増設の余地を十分に感じさせる。