エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1145
2022.05.25 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
ここからは「G-Master Hydro Z690 Extreme/D5」を構成する各種パーツを順番にチェックしていく。まずはその外観を決定付ける重要な要素であるPCケースから見ていこう。
シリーズの“顔”として採用されているのがFractal Design「Define S2 TG」。デュアル水冷という特殊なパーツ構成もあり、サイコムによるベストなチョイスが決め打ちで採用されている |
「G-Master Hydro」シリーズは、他のバリエーションを含め共通でFractal Designのミドルタワーモデル「Define S2 TG」を筐体に採用しており、他のPCケースを選択することはできない。これは複数のラジエター搭載を可能にする拡張性や最適なエアフロー、そして十分な静音性の確保などを考慮し、サイコムが“デュアル水冷のためにベストなPCケース”としてチョイスした結果だ。
余裕たっぷりの拡張性を備える。水冷対応も抜かりなく、フロントに最長360mm、トップに最長420mmサイズのラジエターをマウントできる |
その点で「Define S2 TG」は最大3箇所に大型ラジエターをマウントできるなど、多彩な冷却オプションを備える。CPUとグラフィックスカード用のラジエターを固定しなければならない「G-Master Hydro」シリーズにとって、理想的な環境というわけだ。
そうした冷却重視のコンセプトを反映して、2種類から選べるトップパネルは良質なエアフロー構築に重きをおいた防塵フィルターを選択。水冷ラジエターの放熱性能を最大限に発揮できる構成になっている。
その一方でフロントと右サイドパネルには、高密度の防音シートを装備。不必要な騒音拡大を防ぐ効果が期待できるだろう。また、左サイドパネルは強化ガラス仕様のため、ガラス越しにデュアル水冷のシステムを眺めることが可能だ。
「Define S2 TG」はトップパネル換装によりシステムの方向性を選べる仕様になっているが、「G-Master Hydro」シリーズでは冷却性能を重視した防塵フィルターが採用されている |
防塵フィルターを外すと、ラジエターに並んで排気用の140mmファンが搭載されているのが分かる |
無駄な装飾を排除したミニマルデザインがFractal Designの真骨頂。右サイドはソリッドパネルで、その裏には高密度防音シートが貼り付けられている |
そのほか、筐体内部もE-ATXフォームファクタに対応するなど余裕があり、ハイエンドパーツを無理なく搭載できる拡張性を備えている。グラフィックスカード用のクリアランスは最長440mmまでのスペースを確保、最大構成のGeForce RTX 3090 Tiも余裕で組み込めるというわけだ。
ちなみにストレージ用には、3.5インチ/2.5インチ共用ベイ×3、2.5インチベイ×2を装備。標準構成ではNVMe M.2 SSDが選択されているためブランクになっているが、必要に応じて大容量HDDを追加することも可能だ。
バックパネル側をチェック。リアに排気用の140mmファンを備え、電源ユニットはボトム配置で組み込まれている |
フロントI/Oは、USB3.0×2、USB2.0×2、USB Type-C×1、音声入出力を備える | 底部には滑り止めが付いたインシュレータを装備。防塵フィルターも備えており、フロント側から引き出してメンテナンスできる |