エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1145
2022.05.25 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
いよいよお待ちかね、PCケースのサイドパネルを取り外して「G-Master Hydro Z690 Extreme/D5」の内部構造に迫っていこう。なお編集部に届けられた評価機は、CPUがCore i9-12900KSに、水冷グラフィックスカードがGeForce RTX 3090 Tiに変更。さらにメモリやストレージ、電源ユニットに至るまで、フルカスタマイズ済みの構成になっていた。
水冷ユニットのチューブが行き交う、デュアル水冷仕様の内部構造。どのように構成パーツが組み込まれているかチェックしていこう |
サイコムのこだわりが詰まった、独自水冷仕様のグラフィックスカード。評価機にはGeForce RTX 3090 Tiの水冷モデルが搭載されていた |
デュアル水冷の構築において、最もハードルが高いのはグラフィックスカードの水冷化だ。サイコムは単にオールインワン水冷仕様の完成型カードを組み込むのではなく、独自に部材を調達して水冷化を施したグラフィックスカードを採用している。それはラジエターや冷却ファン、カード側の冷却に至るまで、完成型カードでは得られないこだわりを実現するためだ。
デュアル水冷仕様の「G-Master Hydro」シリーズがもつ歴史は長く、サイコムはグラフィックスカード水冷化のノウハウを豊富に蓄えてきた。それはTGP300Wを軽々と上回るGeForce RTX 30シリーズの登場でも活かされ、大幅な発熱増加を240mmラジエターを搭載したAsetekの新設計クーラー「Hybrid GFX 240mm LCS」でクリア。TGP450Wに達するGeForce RTX 3090 Tiの水冷化にも、そのクーラーが採用されている。
さらにラジエターの冷却ファンには、Noctuaのプレミアムファン「NF-A12x25 ULN」を搭載。240mmラジエターの放熱をまかなう十分な風量を静粛に獲得している。
水冷クーラーは240mmラジエターを備えるAsetek「Hybrid GFX 240mm LCS」を採用。冷却ファンにはNoctua「NF-A12x25 ULN」を組み合わせ、ラジエターはケーストップにマウントされている |
そしてカード側の冷却には、ベースとなるグラフィックスカードに搭載されていた3連ファンクーラーを採用した。ヒートシンクを加工してAsetek製水冷クーラーのウォーターブロックを装着、3連ファンクーラーはカード側コンポーネントの冷却に専念する構造になっている。
これにより電源モジュールやビデオメモリなど、発熱の大きなコンポーネントを効率的に冷却し、パフォーマンスの向上に貢献。さらに最大の熱源であるGPUコアを水冷クーラーが担当するため、3連ファンの回転数は空冷仕様に比べ、低く抑えられているのも注目ポイントだ。
基板上のコンポーネントを冷却する3連ファンクーラー。ファンカバーやロゴマークから、Manli製のGeForce RTX 3090 Tiグラフィックスカードがベースになっていると思われる |
ちなみに「G-Master Hydro Z690 Extreme/D5」のグラフィックスカードは、基本構成が従来型水冷ユニットを採用するGeForce RTX 3070。それ以上のモデルが240mmラジエター水冷を搭載しており、GPUはGeForce RTX 3070 Ti/GeForce RTX 3080 12GB/GeForce RTX 3080 10GB/GeForce RTX 3090 Tiから選択可能だ。