エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1148
2022.06.01 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
続いてはややアプローチを変え、「3DMark」のレイトレーシングテストである「Port Royal」を実行。DirectX Raytracing(DXR)における、それぞれのグラフィックスカードのレイトレーシング性能を見ていこう。
WQHD解像度のテストでかなりの負荷ということもあり、フレームレートはRadeon RX 6750 XTで30fpsを下回った。仮にレイトレーシングを有効化してプレイする場合、タイトル次第にはなるものの、画質や解像度などのグラフィックス設定を見直す必要がありそうだ。
また、Radeon RX 6650 XTの場合はフレームレートが20fpsをやや上回る程度と、さらに厳しい結果に。元来1,080pゲーミング向けのGPUとしては過大な負荷とも言えるが、レイトレーシング性能についてそれほど大きな期待はできないだろう。
引き続きレイトレーシング性能を検証するため、同じく「3DMark」が備える「DirectX Raytracing feature test」を実行する。こちらはシーン全体をレイトレーシングのみでレンダリングする特化型のテストのため、より純粋なレイトレーシング性能を把握することが可能だ。
Radeon RX 6750 XTが平均15.56fps、Radeon RX 6650 XTは平均11.92fpsと、いずれも厳しい結果に留まった。テスト中の映像もコマ落ちしている状態で、やはり純粋なレイトレーシング性能に大きな期待はできないという印象。レイトレーシングを有効化した状態でプレイするなら、アップスケーリング技術のAMD FidelityFX Super Resolution(FSR)との組み合わせが前提になりそうだ。
ここからは、実際のゲーミングシーンにおけるパフォーマンスを確認するため、ゲーム系ベンチマークやゲームプレイによる検証をすすめていく。まずは人気のオンラインタイトル「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ」の公式ベンチマークから。グラフィックス設定は“最高品質”、解像度は1,920×1,080ドット(フルHD)/2,560×1,440ドット(WQHD)/3,840×2,160ドット(4K)の3パターンに設定して計測を行っている。
大規模レイドなどの増加を踏まえ、最高評価である“非常に快適”のスコアは従来から15,000へと底上げされている。しかしRadeon RX 6750 XTはWQHDまでその基準を楽々クリア、Radeon RX 6650 XTもWQHDで肉薄するスコアを残しており、いずれもWQHD環境での快適プレイは疑いない。平均フレームレートもRadeon RX 6750 XTで120fpsオーバー、Radeon RX 6650 XTで100fps程度が出ており、高リフレッシュレートのゲーミング液晶の性能も活かすことができる。
またRadeon RX 6750 XTの場合は、4K解像度でも“快適”なスコアおよび平均60fps以上をマーク。タイトル次第で4Kプレイも十分に狙えることを示してくれた。
続いては、タクティカルシューター「Tom Clancy’s Rainbow Six Siege」のゲーム内ベンチマークテストにより、FPSタイトルにおけるパフォーマンスを見ていこう。APIはVulkan、総合品質は“最高”で、解像度はこれまでと同じフルHD/WQHD/4Kの3種類で計測を行っている。
可能な限り高いフレームレートでプレイしたいジャンルだが、Radeon RX 6750 XTとRadeon RX 6650 XTともに4K解像度でも十分に滑らかな快適プレイが楽しめる水準。特に平均200fpsに迫るRadeon RX 6750 XTなら、かなり高性能なゲーミング液晶でも十分にその性能を引き出せるはずだ。