エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1151
2022.06.06 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影・pepe
【PCMark10:Full System Drive Benchmark】 |
これまでのベンチマークでは、2/1TBモデルとほぼ公称値通りの差が出ていたが、より実アプリケーションの運用に近い「PCMark10:Full System Drive Benchmark」では、2TBとの差はBandwidthが約12MB/sec、総合スコアも約2%とごくわずか。500GBモデルを選択した場合でも、OSの起動やオフィスアプリケーションの操作で違いを感じることはほとんどないだろう。
【3DMark:Storage Benchmark】 |
「3DMark:Storage Benchmark」でも2TBモデルとの総合スコアの差は約3%、Average Bandwidthの差は約19MB/secに留まり、やはり大きな違いは見られなかった。実アプリケーション同様、ゲーム環境でも500GBモデルを選択しても性能差を感じることはほとんどないだろう。
【ATTO Disk Benchmark 4.01】 |
読込最高6.97GB/secで、2/1TBモデルと同じくインターフェイスの限界に近い転送速度を発揮している。また書込は最高3.50GB/secで、公称転送速度よりも約500MB/sec高いスコアを記録した。そして128KB以降はほとんどスコアにブレがなく、常に安定した転送速度を発揮しているのはこれまでのモデルと同様だ。
テストセッションの最後は「PG4NZL」シリーズの発熱を確認していこう。テスト用のSSDには2TBモデルを使用し、ヒートシンクなしの状態と、マザーボードに標準装備されるヒートシンクを搭載した場合で計測を実施した。なお負荷テストは「CrystalDiskMark 8.0.4」をデータサイズ64GiBにして、3回連続でテストを実施した。
ヒートシンクなしの「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 | ヒートシンク装着時の「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 |
「ヒートシンクなし」では、実テストの前に行われるデータコピーの段階から一気に温度が上昇し、1回目のシーケンシャルテスト中に74℃を記録してサーマルスロットリングが発生する。その後は瞬間的に転送速度が回復することはあるものの、安定したパフォーマンスを発揮することは難しい。一方、「ヒートシンク装着時」は温度の上昇が緩やかになり最高温度も71℃で頭打ちになる。途中スコアが落ち込むシーンも見られるが、「ヒートシンクなし」に比べるとかなりパフォーマンスは安定している事がわかる。
ヒートシンクなし:アイドル時のサーモグラフィ結果 | ヒートシンクなし:高負荷時のサーモグラフィ結果 |
ヒートシンク装着時:アイドル時のサーモグラフィ結果 | ヒートシンク装着時:高負荷時のサーモグラフィ結果 |
そしてサーモグラフィの結果を確認すると、コントローラ部分はサーマルスロットリングが発生しているにも関わらず高負荷時に100℃を超えてしまう。正直常用するのは厳しい状況で、マザーボードにヒートシンクが標準装備されていない場合は、必ず別途ヒートシンクを購入しておこう。
2020年に登場したハイエンドSSD「PG4VNZ」の正統後継モデルとして登場した「PG4NZL」。NANDフラッシュがMicronの最新3D NAND「B47R」に変更されたことで、もともと高速だったシーケンシャルアクセスはインターフェイスの限界に迫る約7,400MB/secを記録。ランダムアクセスも2TBモデルでは軒並み1,000,000 IOPSを超え、現行のPCI-Express4.0(x4)NVMe M.2 SSDの中では間違いなく最速クラスのパフォーマンスを発揮する。
さらにCFDが得意とするファームウェアの最適化によって、データの圧縮率やデータサイズの違いによる性能の変化も最小限に抑えられ、シーケンシャル・ランダムとも常に安定したパフォーマンスが期待できるのも評価できるポイントと言える。
それでいて「PG4VNZ」より価格は安価に設定されており、これから新規にハイエンドPCを組む人や、PCI-Express3.0(x4)接続、もしくはPCI-Express4.0(x4)接続でも5,000MB/secクラスのSSDからのアップグレードを検討しているなら間違いなくオススメ。そしてPS5の増設用SSDを検討しているなら、PCのようなマルチドライブ構成が難しいことから、まもなく登場予定の大容量モデル4TBの登場を待つのもありだろう。
協力:CFD販売株式会社