エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1153
2022.06.09 更新
文:撮影・こまめ
ここからは「Prestige 14 A12U」のベンチマーク結果を交えながら、実際のパフォーマンスについて解説する。評価機のスペックをおさらいすると、CPUがIntel Core i7-1280Pでメモリ容量は32GB、ストレージは512GB PCI-Express4.0 M.2 SSD、グラフィックスはNVIDIA GeForce RTX 3050 Laptop GPUだ。
なおベンチマークテストの実施あたりWindows 11の電源プランを「バランス」に設定。さらに「MSI Center PRO」の「User Scenario」で動作モードを「ハイパフォーマンス」に変更した上で、空冷ファンを最大出力で動作させる「クーラーブースト」を有効にしている。ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミングなどで大きく変わることがあるため、あくまで参考値として考えていただきたい。また文中で触れている他パーツとの比較値は、筆者調べによるものだ。
まずはCPU性能を計測する「CINEBENCH R15」および「CINEBENCH R20」の結果から。
14コア/20スレッドのIntel Core i7-1280Pは、ひとつ前の第11世代からパフォーマンスが劇的に向上した。しかし「Prestige 14 A12U」のCPUベンチマークテストでは、同じCPUの平均値を下回る結果となった。これは冒頭でもお伝えしたように、発熱を抑えるためにパフォーマンスをあえて落としているためだ。
しかし第11世代のIntel Core i7-1185G7や、Zen3世代のAMD Ryzen 7 5800Uのスコアを大きく上回っている。グラフにはまとめていないが、スコア的には第11世代のゲーミングノートPC向けCPUであるIntel Core i7-11800Hと同程度だ。パフォーマンスを抑えているとは言え、十分すぎるほどの結果と言っていい。A4サイズ程度の小さな筐体で、これだけのパワーを出せるのは驚くほかない。
ストレージとしては、512GBまたは1TBのPCI-Express4.0(x4)M.2 SSDが使われている。評価機で使われていたのは、Micronの「3400シリーズ」(MTFDKBA512TFH)。アクセス速度はシーケンシャルリードで6,600~6,700MB/秒前後、シーケンシャルライト3,800MB/秒と非常に高速。快適なレスポンスを期待していいだろう。
データサイズを64GiB、テスト回数を「9回」に変えて計測を3回連続で行なってSSDに高い負荷をかけても、アクセス速度はほとんど変わらなかった。サーマルスロットリングの影響は少ないと考えていいはずだ。
「CrystalDiskMark 8.0.4 x64」による512GB PCI-Express4.0 M.2 SSDのアクセス速度計測結果。左が通常時で、右が高負荷時 |