エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1154
2022.06.12 更新
文:撮影・藤田 忠
Razerおじみの三頭蛇のライトアップと、Razerグリーンを堪能したあとは「RGB AIO Liquid Cooler 240MM」の制御系をチェックしていこう。
ファンとポンプの回転制御は「静音」「通常」「パフォーマンス」「アドバンスト」の4つのモードを備え、デフォルトは「通常」に設定されていた。ここで気になったのが「静音」「通常」「パフォーマンス」の3つのモードになる。多くの製品では静音モードでも、CPUなどのターゲット温度に合わせてファンの回転数は制御されるわけだが、テストに使った時点のファームウェアとソフトウェアでは、3つのモードのファン回転数は固定され、カスタマイズもできなかった。ポンプの回転数は「液体温度」にあわせて変動していたので、CPUへの負荷があまり高くないゲーミング時は、プレイの邪魔をしないようにトコトン静音に振り、CPU温度上昇時はCPU側の温度制御にお任せ。写真編集といった軽めのクリエイティブな作業では「通常」、動画編集、エンコードなどといったCPUをフルに使う作業では「パフォーマンス」に、ユーザーが切り替えて運用するといった割り切ったコンセプトなのかも知れない。
各モードのファン回転数とポンプの最低回転数は、「静音」モードはファン450rpm前後、ポンプ840rpm前後。「通常」モードはファン1,260rpm前後、ポンプ1,680rpm前後。「パフォーマンス」モードはファン1,920rpm前後、ポンプ2,400rpm前後となっていた。なお、ファンとポンプの最大回転数はファンが2,280rpm、ポンプが2,790rpmだった。
デフォルト設定の「通常」モード |
「パフォーマンス」モードでは、ファン、ポンプともに高回転域になり、ファンの風切り音も耳につくようになる |
残った「アドバンスト」モードはファン、ポンプともに温度で回転率が指定されており、最小と最大の設定値以外のポイントは調節することが可能だった。だたし、調節できるのでは回転率のみで、デフォルト値から低下させることはできなかった。ファン回転数の80℃/100%となる最大値をいじれないのも痛いが、組み合わせるCPUにあわせて、ファン回転数を細かく調節できないのは、ユーザーによってはかなり厳しいところだろう。この辺は、今後のファームウェア&ソフトウェアのアップデートでの改善に期待したい。
「アドバンスト」モードでは、温度値で回転率が調節されるようになっている。手動での調節は可能だが、設定幅は最低限だ |
今回のテストではRazer製PWMファンコントローラーの「Razer PWM PC Fan Controller」を追加しているので、その動作に軽く触れておこう。モードは同じ「静音」「通常」「パフォーマンス」「アドバンスト」に加え、ファンの回転率を指定できる「手動」の5つのモードを備えている。さらにファンの回転を停止させられる「モード」と、接続したファンを一括制御できる「リンク」のスイッチが備わっている。
「Razer PWM PC Fan Controller」の制御画面。「リンク」を有効にすると、接続ファンの一括制御になる |
「手動」モードでは、ファン回転率を指定できる |
「静音」「通常」「パフォーマンス」のモードが回転数固定なのは同じだが、「アドバンスト」モードは手動での制御が行える。ファンの回転率は20℃~100℃までの10℃刻みで調節でき、デフォルト値から回転率を下げることも当然可能になっている。
「アドバンスト」モードは、10℃ごとにファン回転率を指定できる。ファンごとの設定も、一括での設定も可能だ |
配信動画の録画時などに、PCケースファンをまとめて停止するなど、キルスイッチ的な「モード」スイッチは、なかなかおもしろい機能だ |