エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1159
2022.06.24 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
背面にはN127唯一の標準装備となる冷却ファンが搭載されている。CPUやマザーボードの電源周りの熱源に近く、常時排気は必須という考えだろう。トップ部が塞がれているだけに、通気孔を設けたミドルタワーPCケースに比べ、その重要度は高そうだ。
搭載される「Luna AL120」は、120x120x25mmのARGB対応スクエアファンで、実用に加えイルミネーション機能も装備。回転数は400~1,800±10%rpm、騒音値25dBA(通常負荷時)、風量最大82.96CFM、静圧2.31mm/H2Oで、軸受けにはスリーブベアリングが採用されている。
なお120mmサイズラジエターへの換装にも対応。ネジ穴はスリットタイプで、若干のストロークを設ける事で、固定位置の微調整に対応する。
乳白色のインペラは9枚仕様。コネクタは冷却ファンの電源用が4pin(PWM/12V)、ARGBは3pin(5V)で、いずれも直結式 |
トップ部がカバーに覆われている代わりに、ボトム部のほぼ全ては冷却ファンの増設スペースに割り当てられている。底面の開口部が広いハニカム状の通気孔部には、最大で120mmファンを3基装着可能。これに合わせ、ラジエターも最大で360mmサイズがマウントできる。
N127のエアフローレイアウトは独特で、一般的な使い方にならえば、フロントとボトムは吸気により外気を取り込み、リア排気で空気の流れを作り上げている。グラフィックスカードが底面吸気の流れを邪魔する可能性はあるものの、前面からの水平方向と底面からの垂直方向による異なるエアフローレイアウトこそがN127の設計理念上、最大のポイントなのだ。
底面は外気を常時取り込むN127最大の吸気孔。大判の防塵フィルタは120mmファン3基分の面積をカバーしている |
ここからはストレージ収納力を見ていく。N127では計2箇所に設けられた搭載スペースのうち、トップカバーの並びで前寄りの2.5/3.5インチ共用シャドウベイが最大の収納力を誇り、2.5インチSSDまたは3.5インチHDDが2台搭載可能。両者を組み合わせて1台ずつ搭載する事もできる。
専用トレイはABS樹脂製で、レバーを手前に倒すと引き出しができる仕掛け。3.5インチHDDは側面ピンによるツールフリー、2.5インチSSDは底面からのネジ留め式をそれぞれ採用。コネクタはマザートレイ背面側に向けて固定することになる。
3.5インチHDDx2台をマウント。ここまでの作業で工具は不要。念のためコネクタ側も確認すると、フロントトップのアクセスポート類から伸びるケーブルと”共存状態”ではあるものの、SATAケーブル接続の妨げになることはなさそう |
2箇所目はマザーボードトレイ背面、CPUクーラーメンテナンスホール下の、2.5インチSSD専用トレイだ。上下にレイアウトされたスチール製プレートは、いずれも右手のハンドスクリューでシャーシ側に固定。それぞれに4箇所のネジ穴を装備し、2.5インチSSDを底面ネジ留めしてマウントする。なおプレート左手は引っ掛けるだけのシンプルな作りで、コネクタは左方向に揃えて搭載する事になる。
コネクタ向きを左方向(前方方向)に合わせ、2.5インチSSDを専用トレイにネジ留め。電源ユニットがトップマウントの遠い位置だけに、ある程度ケーブル長は必要になってくるだろう |