エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1163
2022.07.02 更新
文:撮影・藤田 忠
Core i9-12900Kを使って「NR36」の実力を試してみよう。CPUへ負荷をかけるストレステストには「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」と「OCCT 11.0.5:CPU(データセット 大、テストモード エクストリーム、負荷タイプ 一定、35分間)」を使用している。
なおCPUの動作は過去のレビューと同じように設定しても、CPU Package Power(HWiNFO64 Pro読み)が233~241Wになったため、手動でオーバークロック状態を追加した以下の3つの設定で実行している。
「OC設定」はMSI「MAG Z690 TOMAHAWK WIFI DDR4」に搭載されている「GAME BOOST」を活用した | Pコア/Eコアの動作倍率などが変更されている |
「OC設定」時の動作クロックは、オールコア負荷時でPコアが4,987.8MHz、Eコアが3,790.7MHzを記録。「リミット解除設定」から、いずれも約100MHz上昇している | 「OC設定」時のCPU Package Powerは、最大で277.71Wを記録 |
非常に負荷の高いストレステストとなる「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」実行時から見ていこう。テスト実行中の各種スコアの記録に「HWiNFO64 Pro」を使用し、CPU温度「CPU Package [°C]」や、CPUの消費電力「CPU Package Power [W]」、動作クロック「P-core 0 Clock [MHz]」「E-core 8 Clock [MHz]」を抽出している。
高負荷ワークロード実行時でも消費電力が125Wに抑えられる「Intel定格設定」時のCPU温度は360mmサイズラジエターや、ポンプ回転数が5,000rpm台と高いこともあり、余裕の50℃台で推移している。CPU Package Powerが236Wまで上昇する「リミット解除設定」時は、CPU温度は大幅に上昇。動作クロックも「Intel定格設定」から790MHzアップした4,880MHzで動作している。肝心のCPU温度は80℃台で推移し、こちらも実用レベルになっている。
そして動作クロックがさらに約100MHzアップする「OC設定」時は、最大CPU温度は99℃に達しているが、テスト前半は80℃台後半から90℃台前半を記録。CPUがフルロードされる用途でなければ、十分実用できるだろう。
続いて「OCCT 11.0.5:CPU」実行時の結果を確認していこう。ストレステストとは言え、CPUがフルロードされる「CINEBENCH R23」と比べて負荷は低く、写真や動画の編集、ゲームなどの実使用に近い状態を把握することができる。
「OCCT 11.0.5:CPU」実行時は「OC設定」時でも、CPU Package Powerは180W前後に留まるため、CPU温度も「CINEBENCH R23」実行時から大きく低下している。「リミット解除設定」時は最大温度こそ67℃まで上昇しているが、おおむね60℃台前半で推移。「OC設定」時でも最大71℃、テスト後半でもおおむね65℃前後で推移し、この温度ならPCケースに組み込んだ状態で問題なく使用できるだろう。