エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1163
2022.07.02 更新
文:撮影・藤田 忠
最後はストレステスト中の騒音値をチェックしよう。騒音値の計測は、3基のラジエターファンの中央に位置するファンから30cm離れた位置で行っている。「NR」シリーズが採用する「Luna AL120」の最大回転数は1,800rpm±10%だが、今回のテストではおおむね2,000rpm台まで上昇していた。そのため、消費電力が高く、発熱も多い「リミット解除設定」「OC設定」時の「CINEBENCH R23」テストでは、爆音となる55dBA台を記録している。「OCCT 11.0.5:CPU」実行時も、「リミット解除設定」時こそ43.4dBAだが、「OC設定」時は50.2dBAで、PCケースに収めた状態でもそれなりに気になるだろう。
一方、PBP125Wで動作する「Intel定格設定」はファンが1,200rpm台で回転しているため、騒音値は最大でも42dBAだった。静音重視で運用するなら、回転数にあわせて運用できるPBP、MTPを見極める必要がある。
ウォーターブロックに実装されているユニークなLEDイルミネーションを楽しめるIn Winの最新オールインワン型水冷ユニット「NR」シリーズ。その特徴的な外観だけでなく、360mmサイズラジエターを採用する「NR36」では冷却性能も優秀で、CPU Package Powerが277Wに達するCore i9-12900Kのオーバークロックにも対応する。それでいて価格もメインストリーム帯に抑えられている点は高く評価できる。
PC内部を独特なイルミネーションで彩りつつ、CPUもしっかりと冷却したい人にとって「NR36」は注目のオールインワン型水冷ユニットだ |
マイナス面としては、ファンがフル回転する時の騒音値が挙げられる。高い冷却性能との引き換えになるが、さすがに55dBAに達するのは厳しい。組み合わせるCPUやファンコントロール次第ではあるが、この点は忘れずにいたい。
協力:In Win Development
株式会社アユート