エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1165
2022.07.06 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
最後は同じく長時間のループ実行に対応したゲーム系ベンチマークテストから、より負荷の大きな「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」の公式ベンチマークを実行する。描画品質は“カスタム”から最も負荷が大きくなるよう項目を選択し、解像度は3,840×2,160ドットに設定。これまで同様に30分間動作させている。
なお、かなりヘビーな負荷がかかるゲームだけに、ベンチマーク中の最大消費電力は853Wに達していた。ストレステストの「AIDA64」に匹敵する、強力な負荷が長時間継続していたことになる。
その結果はやや拍子抜けするほど安定したもので、ATXの場合はフルロード時においてほぼ11.98Vに張り付く優秀なもの。全体の変動幅も0.4%程度に収まっている。また、CPU補助電源は概ねフルロード中は11.99~12.0Vで推移しており、やはりブレがほとんど見られなかった。変動幅も合計0.3%と抜群の安定感を示している。
PCI Expressもフルロード時は概ね11.93~11.94Vの数値が続く結果で、重量級タイトルにおけるブレの少なさは感心モノ。全体の変動幅は合計で0.9%と最も大きかったが、規格上の許容範囲(±5%)に照らしてみれば、どれほど安定しているのかが分かるだろう。
記録的な円安が進行している状況を考えれば、同水準の製品における最安クラスで登場した「Hydro GT PRO」シリーズの価格設定は、かなり頑張ったプライスに感じる。今回の検証でもストレステストで消費電力が900Wを超えるシーンがあり、最新のハイエンドパーツ構成では現実的に1000W級の大容量電源が必要とされる機会が増えた。そうした状況にあってコストパフォーマンスに優れた「Hydro GT PRO」シリーズは、ハイエンドマシンの構築を目論むユーザーにとって注目の製品と言える。
それは単に価格だけでなく、ハイエンドパーツによるヘビー級の負荷がかかっても揺るがない、優れた信頼性があってこそ。今回検証を行った1000Wモデルの「Hydro GT PRO 1000W」は、フルロード中でもほとんど動揺しない抜群の安定性をみせてくれた。大食らいのパーツ構成でも不安なく動作させ、そのフルパフォーマンスを発揮する支えになってくれるはずだ。
コストパフォーマンスモデルらしく派手さのないデザインやセミモジュラー仕様など、削るべきを削った要素は、むしろ好印象。最新のウルトラハイエンド環境に無理なく電力を供給できるコネクタを備え、静粛な冷却機構は常時稼働も選択できる。純粋に“安定して安い”大容量電源を探す際には、ぜひ選択肢に加えておきたい製品だ。
協力:FSP GROUP Inc.
株式会社アユート