エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1168
2022.07.12 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
ポンプやリザーバーの搭載スペースも想定されている大型PCケースだけに、本格水冷を導入するユーザーは多いだろう。入門用のベース筐体としても、内部の広さは有利に働くはずだ。とは言え作業時間にも限りがあるため、ここではオールインワン型水冷ユニットの搭載例をご覧頂く。搭載テストにはCooler Master「MasterLiquid ML360L V2 ARGB White Edition」(型番:MLW-D36M-A18PW-RW)を用意。第3世代デュアルチャンバーポンプを採用した、360mmサイズラジエーター仕様のホワイトモデルだ。
HAF 700 EVOのラジエーター搭載スペースは計5箇所。そのうちマザーボードトレイ右側の縦列を占有するサイドエリアを選択。3基のARGB 120mmファンを強化ガラス製左サイドパネルに正対する格好で搭載を試みた。
Infinity Mirrorと3つのDrive/Pump Bracketを外し、360mmサイズラジエーターをネジ留め。ネジ穴はスリットタイプでストローク幅も十分。搭載作業も楽に行うことができた |
ウォーターブロックとラジエーターを並べて搭載する場合、ネックになるのはチューブの長さ。MasterLiquid ML360L V2 ARGB White Editionのチューブ長は実測で約400mmあり、両者が離れた状態でもストレスなく搭載ができた。ウォーターブロックのヘッド部を含め、合計4つのサークルが左側面に向けて発光する搭載スタイルは、PCケース内部を効果的に彩ることができる。ただし、Drive/Pump Bracketを3つ取り外すため、3台分のストレージ搭載スペースが消えてしまう。フロントパネル裏面に移植するなど、必要に応じて対処したい。
敢えてホワイトパーツを選択。MasterLiquid ML360L V2 ARGB White Editionは全てがホワイト仕様でリクエスト通りだが、ケーブルまでホワイトにする必要はなかったような・・・。 |
グラフィックスカードを搭載してみよう。搭載テストにはGIGABYTE「GV-N3070VISION OC-8GD」を用意。マザーボード、オールインワン型水冷ユニットに合わせ、ホワイトにこだわってみた。WINDFORCE 3Xクーリングシステムによる3連ファン仕様だが、クリエイター向けを意識した設計は無駄な装飾がなく、幅115mm、長さ286mm、厚さ51mmの比較的コンパクトなサイズに収められている。なおHAF 700 EVOの拡張カード有効スペースは490mm。これだけ広いスペースがあれば、どんなハイエンドの長尺カードでも搭載できる。
念のため計測した搭載後の空きスペースは、実測で約210mmだった |
なおこだわりのツールフリー機構だが、実際に試したところよくできている。スプリング内蔵のロック機構はカチカチとアクションが明確で安心感もある。拡張スロット金具のネジ穴部分に突起(ピン)が掛かり、仕上げにロックを行うシンプルなものだが、組み込み作業の簡素化に大いに貢献していると感じた。
ロック機構内部にはスプリングを内蔵(画像右)。拡張スロット金具の折り返し部を面で固定する考えは、思いの外よくできていた |
補助電源コネクタへのPCI-Express電源ケーブルは、下部のグロメット付きスルーホールを利用した |