エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1175
2022.07.30 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
ゲーム系のベンチマークが一段落したところで、消費電力をチェックしていこう。ストレステストには「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使い、実行中の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として計測を行った。
GeForce RTX 3080 Tiのオーバークロックモデルに、Core i9-12900Kを組み合わせた構成ということもあり、最大消費電力は531.5Wを記録した。8pinの補助電源コネクタも3基必要なため、電源ユニットは高出力かつ品質にも優れるものを用意したい。また「GAMING Mode」と「EXTREME Mode」の差は約14Wと微増に留まる。パフォーマンスへの影響も劇的ではないが、ハイエンド製品にとってこの程度の消費電力の違いは誤差の範囲。性能が重視されるモデルだけに「EXTREME Mode」は基本有効にした状態で使いたい。
テストセッションのラストはオリジナル3連ファンクーラー「TRI FROZR 2S」の冷却性能を検証していこう。ストレステストは消費電力と同じ「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使用している。
GeForce RTX 3080 Tiの中でも高クロック仕様に仕上げられている「GeForce RTX 3080 Ti SUPRIM X 12G」。公称消費電力はリファレンスから50W引き上げられているが、GPU温度は「GAMING Mode」で最高72.3℃、「EXTREME Mode」でも最高72.8℃で頭打ち。ファンの回転数も2,000rpm前後、回転率も約60%前後で、冷却性能にも十分余力が残されている。
今回はMSIのGeForce RTX 3080 Tiグラフィックスカード最上位モデル「GeForce RTX 3080 Ti SUPRIM X 12G」の検証を進めてきた。発売から1年以上が経過しているが、未だその実力は色褪せることはなく、重量級ゲームを含むAAAの人気タイトルでも4Kの高解像度環境や、フルHD/WQHDの高リフレッシュレート環境でも十分なパフォーマンスを発揮する。
そしてMSIの技術の粋を結集したオリジナル3連ファンクーラー「TRI FROZR 2S」は冷却性能、静音性とも非常に優秀。公称消費電力が400Wに達するハイエンドモデルながら、発熱や騒音に悩まされる心配もなく、快適なゲームプレイが可能になるはずだ。
NVIDIAの次世代GPUについては延期の噂も聞かれるなど、登場までもうしばらく時間がかかりそうな情勢。それならばここに来て価格がグッと下がり、入手しやすくなった「GeForce RTX 3080 Ti SUPRIM X 12G」で、ゲーミングPCのアップグレードを狙ってみてはいかがだろうか。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社