エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1176
2022.08.06 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
4つ目のストレージ搭載スペースは、ボトムカバー天板部。出荷時は何も装着されていないこのエリアには、マザーボードトレイ背面に装備されていた2.5インチドライブトレイが移設できるようになっている。裏配線スペースからSSDの銘柄がアピールできる箇所へ移動するだけで、実際に搭載できる数が増えるワケではない。ただし、オプションパーツとして販売中の「SSD Bracket kit – Type D」(型番:FD-A-BRKT-004)を用意すれば、2.5インチSSDが2台増設可能。少しでも多くのストレージを積みたいユーザーには税込1,540円前後の出費は決して悪くないだろう。
国内市場でも税込1,540円前後で販売中の「SSD Bracket kit – Type D」(型番:FD-A-BRKT-004)。オプションはブラックだが、マザーボードトレイ背面の標準装備品と付け替えればホワイトで統一できる |
5つ目はPop Mini Silent TGには無かった、マザーボードトレイ背面のフロント寄り縦列のドライブトレイ搭載スペースだ。ここも出荷時は何も装着されていないが、ボトムカバー内前寄り上下に装備されているドライブトレイ1つが移設できる。フロント下部の5.25インチベイに光学ドライブを搭載すると、ドライブトレイ1つが使用できなくなるのは先に解説した通り。これを無駄にすることなく、フロント寄り縦列エリアで使おうという考えだ。
ドライブトレイの固定方法はボトムカバー内部同様、2ヵ所を引っ掛け、1本のハンドスクリューでネジ留め。なお裏配線スペースの都合により、搭載できるのは2.5インチSSDまたは3.5インチHDDいずれか1台のみに限定される。
Hard drive damperは2ヵ所ある内の底面寄りの穴のみ利用可能。トレイの高さからはみ出さないよう、3.5インチHDDを固定しよう |
なおオプションでHDD Tray Kit-Type D(型番:FD-A-TRAY-003)が想定売価税込1,540円前後で販売中。こちらを用意すれば、増設スペースをフル活用することも可能 |
拡張スロットはATX規格のミドルタワーPCケース標準となる計7本が装備されている。各々が独立した拡張スロット金具はボディ同様にホワイト塗装が施され、Popシリーズ共通の「三角形パンチング」による通気孔仕様とした。
ボディ同色に塗装された拡張スロット金具。通気孔の三角形パンチングはシリーズ共通。細かい所にもデザインに手を抜かないのがFractal主義 |
黒いハンドスクリューに固定された拡張スロット金具を外すと、今後の主流になりつつあるブリッジレスタイプである事が分かった。VGAクーラーの進化により、エントリークラスのGPUでも2スロット占有デザインのVGAクーラーはポピュラーで、合体した2スロット金具の厚さやカットによる多少のズレも、ブリッジがない事で吸収できてしまう。なおPopシリーズでは、ミドルレンジ以上のモデルに多く見受けられる垂直スロットの用意は無い。
電源ユニットは多くのミドルタワーPCケース同様、ボトムカバー(シュラウド)内の後方にマウントスペースが設けられている。設置面は通気孔仕様で、電源ユニット内蔵冷却ファンの吸気を助けている。ちなみにボトムカバーの内部高は実測で95mm。ATX規格の電源ユニットは高さ86mmだから、計算上9mmほどの余裕があるはず。設置面には金属同士が擦り合わないよう、ゴムクッションが装着されていた。
なお電源ユニットの有効スペースは、公称で奥行き170mmまで。同床にはストレージ搭載スペース(ドライブトレイ)があるため、両者共存における折り合いを付けなければならない。
ボトムカバー天板は、三角形パンチングによる通気孔仕様。熱源のひとつに数えられる電源ユニットの居住性を少しでも良くしようという施策だろう |