エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1177
2022.08.10 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:pepe
MSI「IMMERSE GH10」 実勢売価税込3,000円前後 製品情報(MSI) |
最後はややタイプの違うモデルとして、イヤホンのようなインイヤータイプのゲーミングヘッドセット「IMMERSE GH10」をご紹介しよう。水洗いできるシリコン製イヤーチップを介して身に着けるスタイルはイヤホンそのものだが、13.5mm径のネオジムドライバーを内蔵し、特に低音の再生能力に優れているという。
さらに着脱式のブームマイクを採用。ボイスチャットを必要とするゲームプレイ時と、マイクが不要な音楽・動画再生時など、シチュエーションに応じて使い分けることができる。ケーブル半ばにはマイクを内蔵した3ボタンのコントロールユニットを備え、オーディオコントロールや電話の着信応答などの操作が可能だ。
接続インターフェイスは3.5mmミニプラグ。プラグには腐食に強い金メッキ処理、ケーブルには絡みにくい加工が施されている。
イヤホンとしてはかなり大口径の13.5mmドライバーを搭載。ユニットも大型化しており、それを支えるためにイヤーフックも備えている | 左側のユニットに接続されるブームマイクは、必要に応じて着脱できる仕様だ |
イヤーチップとイヤーフックにより、インイヤータイプとしては大型ながらしっかりと装着できる |
3ボタンのインラインコントロールユニットを使えば、ボリューム調整だけでなくスマホの着信応答も可能だ | 接続インターフェイスは4極の3.5mmプラグで、3極プラグ×2へのY字変換ケーブルも付属する |
各種付属品を一緒に持ち歩けるキャリングポーチが同梱。イヤーチップは3サイズからチョイスできる |
その外観からも、比較的大型のマイクを備えたイヤホンといった立ち位置の「IMMERSE GH10」。おのずとオーバーヘッドタイプのヘッドホンに比べて制約も大きくなるところ、定位は悪くなくFPSゲームにおいて十分実用的な性能を備えている。「VALORANT」や「Apex Legends」の実プレイでも距離感の把握は少々難しかった一方で、音の方向はしっかりと見極めることができた。音質面でも低音が強すぎるようなこともなく、全体的にバランスの良いサウンドは好印象だ。
なお、マイクは口元まで距離があるように見えて、無指向性のため声はしっかり拾ってくれる。それほどクリアな集音にはならないものの、ゲームのボイスチャット用には問題のない性能だ。仮に音質を追求して別途マイクを導入した場合でも、取り外しができる点は嬉しい。
そして装着感については、イヤホンとしては大型ながらイヤーフックでしっかり固定され、使用中にズレてしまうことはない。ただしインイヤータイプはどうしても耳への負担が大きいため、長時間使っているとやや疲れが出てしまう点には注意したい。
そのほか、外観のデザインはいかにもMSIカラーといった配色で個性的。パッと見で左右が分かるカラーリングになっているなど実用面も考慮されている。尖ったデザインからどうしても“ゲーミング専用”にはなりがちなものの、モバイル環境でFPSゲームの音を聞き分けたい、というニーズには十分オススメできる製品だ。
キーボードやマウスに比べると、MSIゲーミングヘッドセット製品のラインナップはそれほど多くはない。それだけに1モデルごとに製品のポジショニングやコンセプトがしっかり定義された上で開発されている印象で、どれも搭載機能や価格に説得力がある製品ばかり。ビルドクオリティも高く、性能と構造の両面で信頼のおけるヘッドセットが揃っている。
そしてメインストリームクラスにおける高い競争力をもつ、オンキヨー製ドライバー搭載の「IMMERSE GH61」に代表されるように、価格帯以上の“価値”を備えた製品が多い点もトピック。開発陣いわく「過去の実績にとらわれず、すべてのゲーマーが熱望する機能を汲み取って製品化することで、ゲーマーをデバイス選択の試行錯誤から解放したい」という想いがあるとのこと。
常に新しい視点からゲーマーのニーズを分析し、製品開発に活かしていく姿勢こそが、独自の立ち位置をもつヘッドセットを生み出している。次にMSIからリリースされるヘッドセットもまた、単なるこれまでの延長線上ではない、新しいコンセプトや機能を引っさげて登場するはずだ。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社