エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1179
2022.08.17 更新
文:撮影・こまめ
「Titan GT77 12U」は、パフォーマンスだけでなく拡張性についてもデスクトップPC並みだ。メモリスロットは合計4基で、最大容量は128GB。ワークステーションレベルの3D制作や、ディープラーニング等の高度な処理にも対応できるだろう。ゲームやアマチュアレベルのクリエイティブワークであれば、標準容量の64GBで十分すぎるほどだ。
また合計4ポートのストレージ用M.2スロットを用意している点も興味深い。標準で使われているSSDはPCI Express 4.0(x4)で、3基の空きポートのうち2基もPCI Express 4.0対応だ。2枚のSSDをRAID構成で利用するのもいいだろう。残り1基はPCI Express 5.0に対応しているが、対応SSDが普及するのは2022年後半以降と言われている。今後対応製品がリリースされれば、より高速なストレージを利用可能だ。
ただしユーザー自身が分解やパーツ交換を行なうとメーカー保証の対象外となるので注意していただきたい。パーツの交換等は、MSI公認サポート店のみで対応している。
「Titan GT77 12U」の底面部。今回は検証のためにカバーを外して内部を確認しているが、ユーザー自身が分解やパーツ交換を行なうとメーカー保証の対象外となるので注意 |
メモリスロットは4基。対応規格はDDR5-4000で、最大容量は128GB。標準では64GB搭載されている |
標準で使われているSSDは、PCI Express 4.0(x4)の2TBモデル。さらにPCI Express 4.0(x4)用のM.2スロットが2基と、PCI Express 5.0(x4)用のM.2スロットが1基用意されている |
「Titan GT77 12U」では、「Cooler Boost Titan」と呼ばれる独自の冷却機構を採用している。冷却用のパーツは空冷ファンが4基とヒートパイプが7本、冷却用フィンが5基の構成だ。エアフローは底面吸気からの背面および側面への排気が基本だが、さまざま箇所に通気口が設けられており換気性能は高い。
「Titan GT77 12U」の冷却システム「Cooler Boost Titan」。背面側の突き出した部分はほぼすべて、空冷ファンや冷却用フィンなどの冷却パーツで埋められている |
吸気口は底面部に配置されている。穴の空いた部分には熱伝導率が高く冷却効果の高いアルミ素材を使用 | 排気口は本体の左右側面と背面。背面全体が排気口として利用されている |
キーボードの上部や左右などにも通気口が設けられており、換気性能は非常に高い |
以下のグラフは、高負荷時におけるCPU/GPUの温度の推移を表わしたものだ。CPUに高い負荷がかかるCINEBENCH R23のCPU平均温度は94.4℃、GPUに高い負荷がかかる3DMark Time SpyストレステストのGPU平均温度は65.8℃だった。GPUについては低い温度で推移しているが、CPUについてはけっこう高い。熱によるパフォーマンスの低下やパーツの劣化を防ぐためにも、ノートPC冷却台などの熱対策を行なったほうがいいだろう。
CINEBENCH R23のマルチコアテストを10分間実施した際(左)と、3DMark TimeSpyのストレステストを10分間実施した際(右)のCPU/GPU温度の推移 |
CPU温度は高かったものの、キーボード面の温度は最大でも36℃前後とそれほど上がらなかった。排気口付近は40℃あたりまで上昇するものの、普通にゲームをプレイしている限りでは熱さを感じにくいはずだ。
ただし空冷ファンの回転音や排気音などがかなり大きい。簡易騒音計の計測結果は60.5dBAで、部屋の外にまでうっすらと聞こえるほどだ。静かな場所や夜には、周囲への配慮が必要だろう。