エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1182
2022.08.23 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
さてここからは早速、「Ryzen Threadripper PRO 5995WX」の気になるパフォーマンスをチェックしていこう。今回編集部に届けられた評価サンプルは今年7月より国内発売が開始されたASRock Rack「WRX80D8-2T」と、Cooler Master「Silencio S600」をベースにした完成モデルだったため、基本的なパーツはそのまま流用している。
また比較用のCPUには、評価サンプルに同梱されていた「Ryzen Threadripper PRO 5965WX」と「Ryzen Threadripper PRO 3995WX」に加え、メインストリーム向け最上位のRyzen 9 5950Xをベースにしたシステムも用意している。
Ryzen Threadripper PROシリーズでは、CPUソケットがSocket sWRX8に変更されているが、取付方法やCPUクーラーはRyzen Threadripper向けのSocket TR4と全く同じ |
マザーボードにはサーバー向けATXフォームファクタのASRock Rack「WRX80D8-2T」を採用 | メモリはKingstonのDDR4-3200 8GBモデル「CBD32D4U2S1MF-8」を8枚搭載 |
「Ryzen Threadripper PRO 5995WX」では、8つCPUコアと32MBのL3キャッシュで構成されるCCDを8基搭載 |
ファイル操作などの軽い処理では瞬間的に4.5GHz前後まで上昇するが、CINEBENCH R23のシングルコアテストでは最高クロックは4.3GHz前後(画像左)で頭打ち。またマルチスレッド処理では全てのコアが3.2GHz前後(画像右)で動作する |
Zen 3アーキテクチャを採用する24コア/48スレッドモデル「Ryzen Threadripper PRO 5965WX」では、CCDを4基搭載 |
「Ryzen Threadripper PRO 5965WX」では、CINEBENCH R23のシングルコアテストでも最高クロックは4.5GHz前後(画像左)まで上昇。またマルチスレッド処理では全てのコアが4.2GHz前後(画像右)で動作する |
「Ryzen Threadripper PRO 3995WX」は、CCDの数は「Ryzen Threadripper PRO 5995WX」と同じ8基だが、CCDの構成が「4コア/L3キャッシュ16MB」x2になっている |
CINEBENCH R23のシングルコアテストでは最高クロックは4.05GHz前後(画像左)。またマルチスレッド処理では全てのコアが2.9GHz前後(画像右)で動作する |
メインストリーム向けCPUでは現行最高のスレッド数を誇る「Ryzen 9 5950X」。こちらは2基のCCDを内蔵している |
CINEBENCH R23のシングルコアテストでは最高クロックは4.9GHz前後(画像左)、マルチスレッド処理では全てのコアが3.75GHz前後(画像右)で動作する |
ちなみにWindowsでは、64個の論理コアを1つのグループとして扱う「プロセッサグループ」という仕組みを採用している。これにより、アプリケーション側が対応していない場合、1つのプロセスからアクセスできるのは1つの「プロセッサグループ」に制限されてしまう。そのため128個の論理コアを搭載するRyzen Threadripper PRO 5995WXやRyzen Threadripper PRO 3995WXでは、マルチスレッドに対応するアプリケーションでも、その性能を最大限に引き出すことができない可能性がある。
「プロセッサグループ」の制限が解消されているアプリケーションなら128基の論理プロセッサをフルに使用することができる |
「プロセッサグループ」の制限があるアプリケーションでは、64基の論理プロセッサしか使用することができない |