エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1182
2022.08.23 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
続いて、やはりプロセッサグループの制限がない「V-Ray」ベースの最新レンダリングベンチマーク「V-Ray 5.0.2 Benchmark」の結果を確認する。
やはりトップに立ったのはRyzen Threadripper PRO 5995WXで、以下コア数に従ってRyzen Threadripper PRO 3995WX、Ryzen Threadripper PRO 5965WX、Ryzen 9 5950Xが並ぶ順当な結果。またテスト時間が1分間と短く、ブースト状態が維持できることからコア数が同じRyzen Threadripper PRO 5995WXとRyzen Threadripper PRO 3995WXの比較でも約29%と大きな差がついた。
これまで同様、プロセッサグループの制限がない統合型3Dレンダリングソフト「Blender」のパフォーマンスを計測する「Blender Benchmark 3.2.1」の結果も確認しておこう。レンダリングにはCPUを選択し、サンプルは「monster」「junkshop」「classroom」の3種類を使用している。
比較的処理時間が長いこともあり、スコアの傾向は「CINEBENCH R20」や「CINEBENCH R23」のマルチコアテストに似た感じになった。プロセッサグループの制限がないマルチスレッド処理では、コア数が多いほどパフォーマンスが上昇し、コンシューマ向けCPUでは現行最高峰の64コア/128スレッドに対応するRyzen Threadripper PRO 5995WXやRyzen Threadripper PRO 3995WXが圧倒的な強さを誇る。
さらにRyzen Threadripper PRO 5995WXは、Zen 3アーキテクチャの採用やブーストクロックの向上によって、Ryzen Threadripper PRO 3995WXよりも約16%高速。大規模なCGレンダリング処理では大幅に作業時間を短縮することができるだろう。
続いて、「Adobe Lightroom Classic」や「Adobe Photoshop」による画像編集のパフォーマンスを計測できるベンチマークテスト「UL Procyon Photo Editing Benchmark」の結果を確認していこう
ここまで圧倒的なパフォーマンスを誇ってきたRyzen Threadripper PRO 5995WXだが、「Adobe Lightroom Classic」や「Adobe Photoshop」ではプロセッサグループの制限のためテスト中にすべてのコアがフルロードするシーンがほとんどなかった。そのためクロックが高いRyzen Threadripper PRO 5965WXやRyzen 9 5950Xに対してはわずかだが後塵を拝する結果になった。とは言え、Ryzen Threadripper PRO 3995WXとの比較では20%以上も高速で、Zen 3アーキテクチャを採用したメリットは確実にある。
「Adobe Premiere Pro」による動画編集ワークフローのパフォーマンスを計測できるベンチマークテスト「UL Procyon Video Editing Benchmark」の結果も確認しておこう。
「Adobe Premiere Pro」でも、Ryzen Threadripper PRO 5995WXはすべてのコアを有効に活用できず、Ryzen Threadripper PRO 5965WXやRyzen 9 5950Xよりは低い結果になった。ただし、Ryzen Threadripper PRO 3995WXに対しては約5%高いスコアで、「Adobe Premiere Pro」もZen 3アーキテクチャのほうが有利であるのは間違いない。