エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1182
2022.08.23 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
クリエイター向けのベンチマークが一段落したところで、Webサイトの閲覧やビデオチャット、オフィスアプリケーション、ゲームなどの総合的なパフォーマンスを測定する「PCMark 10 Extended」の結果を確認していこう。
シングルスレッド性能の影響が大きい「PCMark 10 Extended」では、動作クロックが最も高いRyzen 9 5950Xがトップを獲得。またコア数が24コアと控えめでクロックが高めのRyzen Threadripper PRO 5965WXもかなり健闘している。またコア数が同じRyzen Threadripper PRO 5995WXとRyzen Threadripper PRO 3995WXだが、Gamingでは約18%、総合スコアでも約12%の開きがあり、IPCの改善やブーストクロックの向上による効果はかなり大きいことがわかる。
続いて定番3Dベンチマーク「3DMark」の結果を確認していこう。まずはAPIにDirectX 12を使用する「Time Spy」のスコアからチェックを進めていく。なおプリセットには「Time Spy」と「Time Spy Extreme」を使用している。
まずRyzen Threadripper PRO 5995WXについてだが、「Time Spy」「Time Spy Extreme」ともテスト中にCPUクロックが上がらず、正確なスコアを計測することができなかった。その他のCPUはいずれも問題がなかったためBIOSのアップデートなどで今後改善することだろう。
またそれ以外のCPUの結果を確認すると、GPUの負荷が高い「Time Spy Extreme」については大きな差がないものの、GPUの負荷が低い「Time Spy」では、Ryzen Threadripper PROの2モデルはいずれもCPU性能がボトルネックになり、Ryzen 9 5950Xの6割前後と振るわなかった。
続いて、APIにDirect X11を使用する「Fire Strike」のスコアもチェックしていこう。こちらもプリセットは「Fire Strike」「Fire Strike Extreme」「Fire Strike Ultra」の3種類すべてを選択した。
「Time Spy」では挙動がおかしかったRyzen Threadripper PRO 5995WXだが、「Fire Strike」は問題なく動作する。またスコアを確認すると、やはりGPUの負荷が高い「Fire Strike Ultra」ではスコアはほぼ横並び。ただし、「Fire Strike Extreme」や「Fire Strike」ではCPUがボトルネックになり、Ryzen Threadripper PROシリーズはRyzen 9 5950Xに差をつけられている。
そしてRyzen Threadripper PROシリーズで比較すると、やはりコアクロックの高いRyzen Threadripper PRO 5965WXがRyzen Threadripper PRO 5995WXに対して「Fire Strike」で約23%、「Fire Strike Extreme」で約10%上回る良好な結果。さらにRyzen Threadripper PRO 5995WXとRyzen Threadripper PRO 3995WXを比較すると、「Fire Strike」で約10%、「Fire Strike Extreme」でも約8%の差が付き、Zen 3アーキテクチャの優秀さが際立つ結果になった。