エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1185
2022.08.29 更新
文:撮影・編集部 池西 樹
テストセッションの最後は「P3」シリーズの発熱を確認していこう。テスト用のSSDにはより高速な1TBモデルを使用し、ヒートシンクなしの状態と、マザーボードに標準装備されるヒートシンクを搭載した場合で計測を実施した。なお負荷テストは「CrystalDiskMark 8.0.4」をデータサイズ64GiBにして、3回連続でテストを実施している。
ヒートシンクなしの「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 | ヒートシンク装着時の「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 |
ハイエンドモデルではテスト直後から一気に温度が上昇し、サーマルスロットリングが発生する製品が多い中、「P3」シリーズのコントローラ温度はヒートシンクなしでも最高72℃と控えめ。サーマルスロットリングと思われる症状もなく、常に公称最高値に近い性能を維持することができている。さらにヒートシンクを搭載することで、最高温度は64℃へと8℃低下した。無理に用意する必要はないが、マザーボードに標準装備されているならヒートシンクを併用しておいたほうがいいだろう。
ヒートシンクなし:アイドル時のサーモグラフィ結果 | ヒートシンクなし:高負荷時のサーモグラフィ結果 |
ヒートシンク装着時:アイドル時のサーモグラフィ結果 | ヒートシンク装着時:高負荷時のサーモグラフィ結果 |
またサーモグラフィの結果を確認すると、もっとも温度が上昇するのは中央にあるコントローラ部分。ただし、温度は最高でも65℃前後に留まり、100℃を超えることがあるPCI Express 4.0(x4)コントローラに比べるとかなり控えめだ。
「P1」「P2」に続く、PCI Express 3.0(x4)のバリューモデルとしてリリースされた「P3」。これまでの製品では転送速度は最高でも2,000MB/sec台に留まり、PCI Express 3.0(x4)接続の上位モデルと比較しても明確に差があった。一方「P3」では、シーケンシャル読込は最高約3,700MB/secに達し、インターフェイスの限界に迫るスコア。さらに1TBモデルなら書込も3,200MB/secを超え、「PCMark10」や「3DMark」についてもハイエンドSSDとなんら遜色のないパフォーマンスを発揮する。
極端にサイズの大きいデータではランダムアクセスが低下するという欠点はあるものの、一般的な運用で4GBを超えるような巨大ファイルを多数扱うシーンはまれ。オフィスユースやゲーミング用途であれば影響はほとんど無いだろう。
さらにバリューモデルらしくコントローラの発熱も控えめ。ヒートシンクなしの状態でもサーマルスロットリングが発生しなかったことから、標準的なデスクトップPCはもちろん、SSDの冷却が難しいノートPCやNUCサイズの超小型PCのアップグレード用途には特にオススメだ。
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