エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1190
2022.09.06 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
検証を始めるにあたり、まずは大定番のストレステストである「OCCT」の最新バージョン「OCCT 11.0.11」を動作させる。CPUとグラフィックスカードの両方に強力な負荷をかける「電源」プリセットを選択。テスト時間を30分間に設定して結果を見ていこう。
なおCore i9-12900KSとGeForce RTX 3090 Tiを搭載したシステムの消費電力は、最大で935Wだった。さすが80PLUS PLATINUM認証の電源ユニットとあって、高効率動作のためか当初の想定より控えめな印象。とは言え1500Wの超大容量ながら6割以上の高負荷がかかっていたことになる。
システムの主要パーツに用いられる+12Vの挙動を確認すると、主電源のATX12Vはほぼ12Vフラットのまま推移し、中盤から後半にかけて12.01Vに上がる程度。アイドル時にマークしていた12.06Vとの比較でも0.5%の変動にすぎない。
同様にCPU補助電源もフルロード時は11.90V~11.91Vで推移しており、テストスタート時の落ち込みとアイドル時を含めた変動幅は1.5%程度。テストスタート時の落ち込み(11.83V)が最も大きかったPCI Express補助電源でも、合計の変動幅は2%未満に留まっていた。ATX電源の+12V系は規格上±5%の変動(+11.4~12.6V)が許容されていることを考えれば、極めて高い安定性を発揮していることが分かる。
続いてモニタリングソフト「AIDA64 Extreme Edition」に重量級のストレステストである「System Stability Test」が搭載されているため、こちらを動作させて電圧変動をチェックしていこう。テスト項目のチェックボックスをすべて埋めて最大限の負荷がかかるよう設定し、フルロード時の挙動を再現。先ほどと同様に30分間テストを動作させる。
なおテスト中の消費電力は、「OCCT」実行時からやや落ち着いて799Wだった。電源ユニットが最も効率的に動作する50%負荷に近く、ほぼ理想的な動作環境と言える。
ATXについては、ほぼ説明がいらないだろう。フルロード時は常に12.02Vをマークし続けており、まったく揺るがないド安定ぶりを発揮。CPUも負荷がかかっている間はほぼ11.94V~11.95Vで動作しており、全体の変動幅の合計も1%程度。PCI Express電源も11.91V~11.92Vの微細な変動範囲で動作しており、圧倒的な信頼性を見せてくれた。