エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1195
2022.09.19 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
続いては、USB 3.2 Gen1(USB 3.0またはUSB 3.1 Gen1と同じ)で接続した際のパフォーマンスをチェックしていく。先ほど同様、ベンチマークテストには「CrystalDiskMark 8.0.4」の16MiB~64GiBプリセットを使用(テスト回数は5回)している。
16MiB(MB/s) | 64MiB(MB/s) |
256MiB(MB/s) | 1GiB(MB/s) |
4GiB(MB/s) | 16GiB(MB/s) |
64GiB(MB/s) |
シーケンシャル読込速度は最大459MB/s、同書込速度は最大462MB/sをマーク。これはSATA3.0接続の内蔵SSDと変わらないパフォーマンスであり、USB 3.2 Gen1インターフェイスの規格上の性能を十分に引き出している。ランダムアクセスの傾向も先ほどと同様で、規格の制限以外には文句なし。ただしUSB 3.2 Gen2接続時との性能差は歴然であり、可能な限りUSB 3.2 Gen2環境下で使いたいところだ。
次はUSB3.2 Gen.2接続時とUSB 3.2 Gen1接続時において、実際にファイルを転送した際にどの程度速度に違いが出るかを見ておこう。今回は合計約50GBの画像データ(JPEG)を用意し、デスクトップ上のフォルダから「R1 Portable SSD」にドラッグ&ドロップでコピー。その際の転送速度を見比べてみた。
画像ファイルのコピー速度(USB3.2 Gen.2) | 画像ファイルのコピー速度(USB 3.2 Gen1) |
USB3.2 Gen.2接続時は254MB/s、USB 3.2 Gen1接続時は166MB/sと、90MB/s近い差がつく結果になった。データ容量の違いで多少の前後はあるものの、USB3.2 Gen.2接続時は全体的に速度水準が高く、結果的に短時間で転送を終えることができた。
かつての主流ストレージだったSATA3.0の内蔵SSDを上回るパフォーマンスを獲得したことで、ポータブルSSDは数段使いやすく進化したと言える。NVMe M.2 SSDと高速インターフェイスの組み合わせにより、最大1,000MB/sの高速転送を可能にする「R1 Portable SSD」は、その有力な選択肢だ。日常的なデータを便利かつストレスなく扱えるのはもちろん、ブランドが製品ページでアピールするように、ゲームのクライアントを持ち歩くような用途でも期待通りの性能を発揮してくれるだろう。
検証時の安定したパフォーマンスから窺えるように放熱問題への対処も十分であり、構造面での完成度は高い。何よりスケルトンカバーを備えた筐体のカッコよさは特筆もので、それが出先で取り出して使いたいというモチベーションを高めてくれる。
なお、パフォーマンスとビジュアルの両面で抜きん出たものを持っている一方で、唯一残念な点を挙げるとすれば、強制的に2種コネクタがついてくる二股ケーブルだろうか。コスト面でも競合に引けを取らない「R1 Portable SSD」シリーズではあるものの、あらかじめ2タイプのケーブルが付属していれば満点だった。いっそ(保証対象外ながら)しっくりくるケーブルを自前で調達して使うのもアリかもしれない。
協力:ESSENCORE