エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1207
2022.10.20 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
Intel「Core i9-13900K」 市場想定売価税込105,800円(2022年10月20日22時発売) 製品情報(Intel) Intel「Core i7-13700K」 市場想定売価税込74,800円(2022年10月20日22時発売) 製品情報(Intel) Intel「Core i5-13600K」 市場想定売価税込57,800円(2022年10月20日22時発売) 製品情報(Intel) |
Intelから、約1年ぶりとなるメインストリーム向け最新CPU「第13世代Intel Coreプロセッサ」が登場した。第12世代Intel Coreプロセッサで初めて採用された高性能コア「Performance-core」(以降:Pコア)と、高効率コア「Efficient-core」(以降:Eコア)の2種類のコアを1チップに統合する「ハイブリッドアーキテクチャ」は継承しつつ、製造プロセスを改良版のIntel 7に変更することで、Pコア・Eコアともブーストクロックが大幅に引き上げられている。
またPコアが、従来の「Golden Cove」から改良を加えた「Raptor Cove」へとアップグレードされた他、PコアのL2キャッシュは1.25MBから2.00MBに、Eコア(4コアあたり)のL2キャッシュは2MBから4MBに、L3キャッシュは最大30MBから最大36MBへと増加。さらにキャッシュアルゴリズムも改善され、より効率的にキャッシュメモリを利用できるようになった。
Pコアにはより高速で、L2キャッシュ容量も大きい「Raptor Cove」を採用。また製造プロセスもIntel 7の改良版へと変更されている |
Eコアはこれまでの2倍にあたる最大16コアを搭載。また共有キャッシュ容量も増加している | すべてのコアで共有するL3キャッシュ容量も増加 |
そして、今回発表された製品ではいずれも従来モデルからEコア数が倍増。最上位のCore i9-13900KではCore i9-12900Kの8コアから16コアへと拡張され、Pコア(8コア/16スレッド)と合わせてメインストリーム向けCPUでは最大となる24コアを達成している。これらの改良により、Intelによれば先代からシングルスレッド処理性能は15%、マルチスレッド処理性能に至っては41%も向上しているという。
マルチスレッド性能はCore i9-12900Kから最大41%も向上。またゲーム性能も最大で約20%向上しているという |
第1弾として発売が開始されたのは、Pコアが8コア/16スレッド、Eコアが16コアの「Core i9-13900K/KF」を筆頭に、Pコアが8コア/16スレッド、Eコアが8コアの「Core i7-13700K/KF」、Pコアが6コア/12スレッド、Eコアが8コアの「Core i5-13600K/KF」の計6モデル。
プラットフォームは第12世代Intel Coreプロセッサと同じLGA1700で、メモリはDDR5-5600もしくはDDR4-3200に対応。内蔵GPUは(KFモデルは非搭載)Xeアーキテクチャを採用するEU数32基のIntel UHD Graphics 770を内蔵する。なおProcessor Base Powerはいずれも125Wで変わらないが、Maximum Turbo PowerはCore i9/i7が253W、Core i5が181Wで、第12世代Intel Coreプロセッサから引き上げられている。
Intel Z690チップセットを採用するMSI「MPG Z690 CARBON WIFI」でも確認してみたが、BIOSのアップデートだけで動作が可能。性能にも大きな違いはなかった |
またIntelでは第13世代Intel Coreプロセッサに合わせて、PCI Express 4.0を12レーンから20レーンに、USB 3.2 Gen2x2を4ポートから5ポートに拡張した新チップセットIntel Z790をリリース。ただし、ソケットLGA1700は形状だけでなく、電気的な互換性も維持されているためIntel 600シリーズでも動作可能。すでに第12世代Intel Coreプロセッサを利用しているなら、マザーボードのBIOSをアップデートするだけで使用することができる。