エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1211
2022.10.28 更新
文:藤田 忠/撮影:編集部・松枝 清顕
まずはCGレンダリング系の定番ベンチマークテストの「CINEBENCH」を使用して、「X670E VALKYRIE」に搭載したRyzen 9 7950Xのパフォーマンスをチェックしていこう。
R15、R20、R23の3つのバージョンを実行したが、エルミタ的速攻撮って出しレビューでお届けしているRyzen 7000シリーズのパフォーマンスチェック時と比べて、スコアはシングルコア、マルチコアともにわずかだか上回っている。「X670E VALKYRIE」(BIOS X67AEA06)は、CPUクーラーの冷却性能が十分なら、CPUを取り付けるだけで、Ryzen 9 7950Xの性能を、しっかりと引き出せるようになっていると言える。
32スレッドが5GHz台で動作するRyzen 9 7950Xのパフォーマンス面に不安のなかった「X670E VALKYRIE」。続いては、ストレステスト中の22フェーズ電源回路の温度を見ていこう。ストレステストには、「CINEBENCH R23」の「Minimum Test Duration:30 minutes」を利用し、電源回路の温度は「HWiNFO64 Pro」でモニタリングしている。
今回のテスト環境に組み合わせたオールインワン水冷ユニットのARCTIC「Liquid Freezer II – 360」は、ウォーターブロックに小口径ファンが備わっており、電源回路へのエアフローを生み出している。一般的なオールインワン水冷ユニットを想定して、ファンを停止した状態も計測を行っている。
小口径ファンだが、エアフローを生み出すため、その効果は大きく、VRMファン動作時は最大でも58℃に抑え込んでいる。ただ、ファンを停止してもヒートパイプで連結されたヒートシンクや、マザーボー裏面を覆うバックプレートの放熱効果で最大64℃と不安のない温度になっていた。
テスト後半をサーモグラフィで確認したが、電源回路周辺のヒートシンク、マザーボードの温度は、ファン停止時でも最大50℃で、ヒートシンク表面温度はトップ側(スポット1)が46.93℃、リア側(スポット2)が45.48℃とエアフローの少ない状態でも問題ない。
ファン動作時(左)と停止時(右)をサーモグラフィで確認。ファン停止時も不安のない温度になっている |