エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1214
2022.11.03 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
続いて「ROG Strix GeForce RTX 4090 OC Edition 24GB GDDR6X」に実装されている、オリジナル3連ファンクーラーをチェックしていこう。冷却ファンは従来から23%風量を高めたデュアルボールベアリングファン「Axial-tech fan」で、中央ファンは時計回り、左右の2つのファンは反時計回りに回転することで、乱気流を最小限に抑えている。
バリアリングを備えた「Axial-tech fan」。それぞれの回転方向を互い違いにすることで、スムーズなエアフローを実現 |
またヒートシンクのベースプレートには、精密なミル加工によって7本のヒートパイプを平らにすることなく実装する、特許取得の「オリジナルベイパーチャンバー」を採用。500Wの熱負荷がかかる条件では、一般的なベイパーチャンバーとヒートパイプの構成に比べて、GPUの温度を最大5℃下げることができたという。
「オリジナルベイパーチャンバ」には、熱移動効率を低下させないため、形状を保ったままヒートパイプが実装されている |
さらに3.5スロットを占有する巨大な体躯を支えるため、ダイキャスト製法で作成された高品質なアルミニウム製フレームやシュラウドを採用しているのも大きな特徴だ。
バリアリングを備えた3基の「Axial-tech fan」。いずれもサイズは実測で105mm径だった |
肉厚のフィンが整然と並ぶ大型ヒートシンク。表面にはファンの振動を吸収するため3本の耐震材が貼り付けられている |
GPUやメモリを冷却する「オリジナルベイパーチャンバー」以外に、電源回路部分にもベースプレートとサーマルパッドが実装されていた |
「オリジナルベイパーチャンバー」には、ヒートシンクをバランスよく貫通するように7本のヒートパイプを実装 |
ダイキャスト製法で製造されたアルミニウム製シュラウドには3基のファンが搭載済み。重量は実測573g |
同じくダイキャスト製法で製造されたアルミニウム製フレーム。こちらの重量は実測185g |
基板の裏面にはアルミニウム製のバックプレートを搭載 |
ヒートシンクは基板から100mm以上もはみ出していた | 「オリジナルベイパーチャンバー」とGPUが密着するよう、ベース部分の4点はネジで固定されている |
これまでにない大型VGAクーラーを採用する「ROG Strix GeForce RTX 4090 OC Edition 24GB GDDR6X」だが、基板サイズは実測で長さ約220mm、幅133mmと意外にもコンパクトに収められている。これは各パーツの配線を最小限にして信号を安定化するとともに、電力損失を低減するため。またGPUやメモリに安定した電力を供給できるよう、Power Stageや高品質チョークコイルによる24+4フェーズにおよぶ大規模な電源回路を搭載する。
全長に比べると約140mmも短いコンパクトな基板。重量も約337gしかなく、「ROG Strix GeForce RTX 4090 OC Edition 24GB GDDR6X」の重さのほとんどはクーラーが占めていることがわかる |
TSMC 4nmプロセスを使い製造されているGeForce RTX 4090。GPUコアは「GA102」、トランジスタ数760億で、CUDAコア数は16,384基 |
GPUコアを囲むようにMicron製GDDR6X 2GBメモリを12枚実装 |
電源回路はGPUコアを挟んで左側に12+2フェーズ、右側に12+2フェーズの計24+4フェーズ |
電源コントローラはMonolithic Power Systemsの「MP2891」を搭載 | 「FanConnect II」用のコネクタは2基実装 |
基板の裏面にはコントローラやコネクタなどは実装されていなかった |
電源やGPUコアの真裏にはそれぞれタンタルコンデンサを搭載する |