エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1218
2022.11.11 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
「Z790 Steel Legend WiFi」のインタラクティブUEFIには、CPUクーラーの冷却性能に合わせてPL1/PL2値を設定する「CPU Cooler Type」機能が搭載されている。そこで、テストセッションのラストは「Air Cooling」「120~140mm Liquid Cooler」「240~280mm Liquid Cooler」「360~420mm Liquid Cooler」の4つのプリセットを選択し、PL1/PL2を変更することでCPUの挙動がどのように変わるのか確認していこう。
「CPU Cooler Type」は「EZ Mode」「Advanced Mode」いずれのモードからでもアクセスできる |
「Air Cooling」ではPL1はProcessor Base Powerと同じ125W、PL2は265W | 「120~140mm Liquid Cooler」のPL1は180W、PL2は265W |
「240~280mm Liquid Cooler」のPL1は241W、PL2は265W | 「360~420mm Liquid Cooler」はPL1/PL2とも265W |
シングルコアテストについてはプリセットの影響がなくスコアは横並び。マルチコアテストでもPL2はいずれのプリセットでも265Wに設定されているため、テスト開始直後はPackage Powerは265W前後、P0クロックは5,200MHz前後まで上昇する。
しかし、その後は「Air Cooling」は約125W、「120~140mm Liquid Cooler」は約180W、「240~280mm Liquid Cooler」は約240WでPackage Powerが頭打ち。動作クロックもそれぞれ約4,300MHz、約4,800MHz、約5,100MHzになり、スコアが低下している。「Z790 Steel Legend WiFi」では堅牢な電源回路のおかげで、Core i7-13700Kの性能を余すこと無く引き出せることから、CPUクーラーも冷却性能に優れるものを用意したい。
なおコア数が同じ先代フラッグシップCore i9-12900Kのスコアは27,000pts前後。これはCore i7-13700KのPL1を180Wに設定した状態とほぼ同等のパフォーマンスで、第13世代Intel Coreプロセッサの優秀さがわかる結果と言えるだろう。
アイドル時:電源回路のサーモグラフィ | 高負荷時:電源回路のサーモグラフィ |
またMOSFETの温度はセンサーから取得できなかったが、サーモグラフィで電源回路の温度を確認したところ高負荷時でも最高で63℃前後までしか上がっておらず、冷却性能についても問題ないことがわかる。
前世代から大幅に性能が向上した一方で、消費電力も増加した第13世代Intel Coreプロセッサ。ハイエンドモデルの実力を十分に引き出すためには電源回路がこれまで以上に重要になる。
その点、ASRock「Z790 Steel Legend WiFi」であれば60A SPSによる16+1+1フェーズの電源回路を備え、最大Maximum Turbo Powerである253Wを超える電力を安定して出力することが可能。大型のヒートシンクや電力損失の低い高品質なパーツ、放熱性に優れる基板を組み合わせることで冷却性能にも問題なく、安心して使用することができる。
またPCI Express 5.0接続のBlazing M.2を始め、最高6,800MHzまで対応するDDR5メモリスロットや、2.5ギガビットの有線LAN、Wi-Fi 6E対応の無線LANなど、ミドルレンジクラスの製品ながら最新インターフェイスが充実している。年末に合わせて、第13世代Intel Coreプロセッサを使い、高性能なPCを検討しているならオススメの一枚だ。
協力:ASRock Incorporation