エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1219
2022.11.15 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
続いて消費電力をチェックしていこう。ストレステストには「3DMark Speed Way Stress Test」を使い、実行中の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として計測を行った。
アイドル時は、グラフィックスカード、CPUとも省電力機能が有効になり、クロック、電圧とも大幅に低下するためいずれも70W弱でほぼ横並び。また高負荷時の消費電力はほぼTGP通りで、GeForce RTX 4080がGeForce RTX 4090より約150W、GeForce RTX 3080 Tiより約30W低くなった。それでいてゲーム性能は概ね1.3~1.4倍向上していることから、「Ada Lovelace」ではワットパフォーマンスも大きく向上している事がわかる。
高負荷時の消費電力が150Wも低下しているにも関わらず、「GeForce RTX 4090 Founders Edition」と同じ3スロットを専有する巨大デュアルファンクーラーを搭載する「GeForce RTX 4080 Founders Edition」。テストセッションのラストはその冷却性能をチェックしていこう。ちなみにストレステストには消費電力テストと同じ「3DMark Speed Way Stress Test」を使用している。
GPU温度は最高67.5℃、Hot Spot温度は最高79.0℃で、「GeForce RTX 4090 Founders Edition」からはそれぞれ3.9℃と2.2℃低下している。またファンの回転数はファン1が1,450rpm前後、ファン2が1,350rpm前後で、それぞれ100rpm前後低下しており、冷却性能にはまだまだ余裕がある。
先行した発売が開始されたフラッグシップモデルGeForce RTX 4090に比べると、チップの規模は約6割、メモリ帯域も7割強に縮小されているGeForce RTX 4080。GeForce RTX 3080 Tiとの比較でも単純なCUDAコア数や、メモリバンド幅は少ないにも関わらず、多くのゲームで30~40%、最新超解像技術であるDLSS 3が効くシーンでは2倍以上のスコアをマークするものもあるなど、確実にパフォーマンスは引き上げられている。
またクリエイター系ベンチマークでも最大で約60%もスコアが向上。さらにこれまでAMD Radeonシリーズに比べて少なかったビデオメモリも16GBへと増量されており、ゲーマーはもちろんクリエイターにとっても間違いなく魅力のある製品に仕上がっている。
ひたすらパフォーマンスを追求したGeForce RTX 4090と違い、ワットパフォーマンスを重視しているGeForce RTX 4080。GeForce RTX 3080やGeForce RTX 3080 Tiからのアップグレードなら電源ユニットはそのままでも全く問題ないだろう |
それでいて消費電力は、TGP 450WのフラッグシップモデルGeForce RTX 4090はもちろん、TGP 350Wの先代ハイエンドGeForce RTX 3080 Tiとの比較でも明らかに少なくなっている。それに伴い、GPUの温度も抑えられていることから、消費電力や発熱の問題でGeForce RTX 40シリーズの導入をためらっていた人にとって、GeForce RTX 4080はまさに待望の製品になるだろう。
協力:NVIDIA Corporation